G7サミットが閉幕し、アメリカのバイデン大統領が広島で滞在した際の様子が明らかになってきた。大統領が宿泊先のホテルで食べたという大好物のアイスクリーム。シェフが特別に完成させた誕生の裏側を取材した。

絶景のスイートルームに宿泊

5月21日に閉幕したG7広島サミット。アメリカのバイデン大統領がメイン会場を後にする映像には、並んで見送るホテルのスタッフたちに歩み寄り、笑顔で記念撮影をする様子が映っている。

ホワイトハウス関係者のツイッターより
ホワイトハウス関係者のツイッターより
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その後、白バイとパトカーに先導され、ホテルから出てきたアメリカの車列。悠々と華々しく広島を後にした。

5月21日、メイン会場から出てきたアメリカの車列
5月21日、メイン会場から出てきたアメリカの車列

そのバイデン大統領がサミット期間中に宿泊したのは広島市中区の「ヒルトン広島」だった。高層階のスイートルームからは広島の街を一望でき、瀬戸内海の島々まで見渡せる。

ヒルトン広島・サミュエル・ピーター 総支配人:
この部屋はエグゼクティブスイートルームだが、これからは正式に“プレジデンシャルスイートルーム”と呼べると思っています

“チョコチップアイス”のリクエスト

大きな窓に囲まれた広い部屋。ソファやダイニングテーブルが置かれ、ゆったりとくつろげる空間が広がっている。

バイデン大統領が滞在したスイートルーム
バイデン大統領が滞在したスイートルーム

この部屋でバイデン大統領が食べたアイスクリームとは…?

ヒルトン広島・鷲見真奈美 ペストリーシェフ:
「チョコチップアイスクリーム」という指定がありました

”アイス好き”として知られるバイデン大統領。自身のツイッターからもその様子を伺える。

バイデン大統領のツイッターより
バイデン大統領のツイッターより

中でもチョコチップアイスクリームが好きだという情報をホテルも事前に入手していたが、大統領サイドからリクエストがあったのは訪れる1週間ほど前だったという。

ヒルトン広島・鷲見真奈美 ペストリーシェフ:
正直、まさか大統領に食べていただくアイスクリームを作ると思っていませんでした。どうしようかとプレッシャーも感じつつ、こんな機会はないなと思って…。おいしく召し上がっていただきたいという思いで作りました

特製のチョコチップアイスクリームには、鷲見シェフならではの気遣いと工夫がある。

ヒルトン広島・鷲見真奈美 ペストリーシェフ:
アメリカの方が好むようなコクのあるおいしいアイスクリームで、かつ、チョコチップの粒が大きいとチョコだけが最後まで口に残って食べづらいなと思い、薄いシート状にしたチョコレートを割って混ぜてみたり工夫しました

ヒルトン広島特製のチョコチップアイスクリーム
ヒルトン広島特製のチョコチップアイスクリーム

部屋に残された大統領直筆のメッセージ

限られた時間の中で、広島の材料を使って特別に完成させたというチョコチップアイスクリーム。許可を得て、梶谷羽奈アナウンサーが試食させてもらった。

梶谷羽奈アナウンサー​:
いただきます。チョコチップがパリパリでバニラアイスになじんでいます。とてもおいしいです

梶谷羽奈アナウンサー
梶谷羽奈アナウンサー

さらに、アイスクリームに添えられていたのは、これまで特別なゲストにしか提供していない牡蠣(カキ)パウダーが入ったオイスターサブレだ。

梶谷羽奈アナウンサー​:
サブレもいただいてみます。うん、オイスターの味はあまり感じませんね。濃厚なガトーショコラのようなしっとりとしたチョコレートが、サブレの間に挟まっています

バイデン大統領からアイスクリームへの感想はあったのだろうか?

ヒルトン広島・鷲見真奈美 ペストリーシェフ:
直接は聞いていませんが、特に問題はなかったよと言われたので、きっとご満足していただけたんだと思います

滞在を終えた部屋に、大統領から直筆のメッセージが残されていた。

「私と私のチームに親切にしてくれたことに感謝します」

バイデン大統領が部屋に残した直筆のメッセージ
バイデン大統領が部屋に残した直筆のメッセージ

多くの課題を抱える世界のリーダーが、多忙の合間に口にしたチョコチップアイスクリーム。溶けていく甘さに一瞬の安らぎを感じたかもしれない。バイデン大統領が食べたアイスクリームは今後、商品化する予定だという。

(テレビ新広島)

テレビ新広島
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