皇后さまは18日、日本赤十字社の名誉総裁として「全国赤十字大会」に出席されました。皇室とゆかりの深い日赤の活動には長女の愛子さまも関心を寄せられています。
皇后さま 唯一の”名誉総裁”
淡い水色のスーツに帽子姿で「全国赤十字大会」の会場に到着された皇后さま。日本赤十字社は、皇后さまが名誉総裁を務められる唯一の団体です。


上皇后美智子さまが皇后として最後の出席となった2018年の大会で、次期名誉総裁である雅子さまを紹介するような形で手を差し伸べ、お二人揃って笑顔で深々と礼をされたのもこの大会でした。

皇室と日本赤十字社はゆかりが深く、明治時代、昭憲皇太后が日本赤十字社の設立と経営に力を尽くし、赤十字国際委員会に寄付した当時の10万円を基に創設された「昭憲皇太后基金」は、世界最古の国際人道基金で今日の開発援助の先駆けとなり、今年も16カ国に配分されることが決まっています。
紀子さまなど女性皇族方も出席
年に一度の日赤の全国大会は、今回、コロナ禍以前の規模に戻して行われ、皇后さまは名誉総裁として名誉副総裁の紀子さま、常陸宮妃華子さま、寛仁親王妃信子さま、高円宮妃久子さまと共に臨まれました。


式典で、皇后さまは赤十字の活動に貢献した人たちに賞状などを直接贈呈し、引き続き、ウクライナで仮設診療所の開設などの救援活動に当たった職員の活動報告に熱心に耳を傾けられました。
皇后さまは帰り際、「とても心に響きました」「ウクライナの人道危機が少しでも早く終結するといいですね」と避難民に寄り添ってきた職員を労われたということです。
上白石萌音さんと交流も
また、日本赤十字社のアンバサダーを務め、この日、壇上で挨拶をした俳優の上白石萌音さんとも交流されました。「とても立派でした」とねぎらわれたという皇后さま。これまでの出演作品を観たことも伝え、メキシコ育ちの萌音さんに「スペイン語はまだ話されるんですか?」とも尋ねられたそうです。


萌音さんは「目を見た瞬間に心が解けるのが分かりました。とても穏やかで気品に満ちていてとても幸せな時間でした」と振り返っていました。
愛子さまも”関心”
一方、この3日前の15日、日赤の社長と副社長が御所を訪れ、去年1年の活動などについて天皇皇后両陛下に説明した際、長女の愛子さまも同席されました。日赤からの説明の場に同席されたのは初めてです。
側近によりますと、愛子さまは福祉活動全般に関心があり、大学の授業に支障がなかったことから、両陛下の勧めもあり、日赤の国際的な活動やコロナ禍での対応などについて一緒に説明を受けられました。

去年3月の記者会見で「人の役に立とうと懸命に活動されている姿に非常に感銘を受けました」「私自身、災害ボランティアなどのボランティアにも関心を持っております」と述べられていた愛子さまの真っすぐなまなざしを思い出しました。
大切にされている日赤の活動に成年皇族となった愛子さまが関心を寄せられているのは、皇后さまにとってうれしく、また感慨深いことではないかと思います。
名誉総裁として今年も無事に大会に出席し、務めを果たせたことに心から安堵されたという皇后さま。5月は歴代皇后に受け継がれる「ご養蚕」の時期でもあり、赤十字大会を終えた皇后さまのお忙しい日々は続きます。
(フジテレビ社会部・宮内庁担当 宮﨑千歳)