日本中から警察官が集まり、厳重な警戒態勢の広島。サミット関係者の規模は3万人を超えると予想されている。それに伴う三度の食事や、布団、寝具…。サミットの成功を裏で支えようと奮闘する地元企業を取材した。

入りきらない食材は“冷凍車”で保存

間もなく開催されるG7広島サミット。歓迎ムードが高まる一方、街には日本中から警察官が集まり物々しさも。

広島市内を警備する宮城ナンバーの警察車両
広島市内を警備する宮城ナンバーの警察車両
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(Q:県外のパトカーなどを見ますか?)
タクシー運転手:
よく見ますよ。今日は札幌ナンバーや練馬ナンバーの車両も見ました。多いですね

警備などの関係者の規模は3万人を超えると予想され、成功を裏で支える地元企業にとっても一大イベントだ。
G7広島サミットでは、県内で1日2万人の弁当を供給する必要がある。広島市西区にある「グルメサービス」は限界ギリギリの数を請け負った。

東洋観光グループHD グルメサービス・徳本裕也 営業部長:
グルメサービスでは朝昼晩合わせて1日6000食を製造します。食材が冷凍庫に入らないので、冷凍車に積んで何とかやります

1食あたりのご飯の量は280グラム。ご飯の量も弁当の数も、まさに“最大級”である。

280グラムのご飯が盛られたグルメサービスの弁当
280グラムのご飯が盛られたグルメサービスの弁当

サミットは「予定が立たない」

各国から要人が集まるサミットならではの問題も…。

東洋観光グループHD グルメサービス・徳本裕也 営業部長:
なかなか予定が立たないので大変です。急きょ増えることもありますし、対応できるところは対応しているのですが

東洋観光グループHD グルメサービス・徳本裕也 営業部長
東洋観光グループHD グルメサービス・徳本裕也 営業部長

開催当日までスケジュールの調整が続くため、予定を立てづらいのがサミット特有の悩み。それでも、県外から集まる関係者に少しでも「広島」を感じてほしいと考えている。

東洋観光グループHD グルメサービス・徳本裕也 営業部長:
2週間サイクルでレシピを組んでいます。極力、広島の食材を使ったお弁当作りを考えています

寝具の洗濯量は過去最大に?

サミット関係者の宿泊には、ホテルだけでは数が足りず、民間の研修施設なども利用される。その布団のレンタルやシーツなどの洗濯を請け負う企業は“不確定な未知の数字”と向き合っている。

日本基準寝具・大下尚志 東広島令和工場長:
最大で25トンか26トンくらいまでいくかもしれないという構えをしてます

この工場でこれまでに受けた洗濯の量は最高でも23~24トンほど。それ以上は未知のゾーンだ。いまだ不確定要素が多いことが悩みだが、地元企業はサミット成功を下支えするために前を向く。

シーツのほか、寝間着も洗濯してプレス機へ
シーツのほか、寝間着も洗濯してプレス機へ

日本基準寝具・大下尚志 東広島令和工場長:
布団100セット、200セット、それ以上に数字が変わると予定がだいぶ狂ってきます。不安が大きいですが、こういった機会はなかなかあるものではないので、しっかり支えになればと思います

G7各国の首脳らを頂上に、多くの関係者や寝具のシワをのばす従業員一人一人まで、裾野はどんどん広がっている。その大きな山が掲げる「成功」という旗を目指し、それぞれが任務を全うしようと奮闘している。

(テレビ新広島)

テレビ新広島
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