G7広島サミットで、海外から訪れた人たちに広島の道案内や観光案内をする役割を担っているのが「学生ボランティア」だ。開催を目前にし、持ち前の笑顔で“おもてなし”の準備を進める1人の女子大生に密着した。

G7サミットに携わる貴重な機会

4月に行われた学生ボランティアの研修会。広島市内を走る路面電車やバスの路線を確認したり、適切な案内方法について話し合った。

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広島駅や、国内外のメディアが一同に集まる国際メディアセンターなどに設置されるインフォメーションセンターで、学生ボランティアは海外の人に道案内や観光案内を行う。

広島女学院大学4年・田窪透子さん:
繁華街は本通りや八丁堀に集中しているので、その方面へ行くバスの主要な路線をいくつか覚えておけばいいんじゃないかな

 
 

積極的に意見を出しているのは、広島女学院大学4年生の田窪透子(たくぼ とうこ)さん。県内21の大学などから選ばれた学生ボランティアの1人だ。田窪さんは「サミットに携わる貴重な機会を逃したくない」とボランティアに応募した。

広島女学院大学4年・田窪透子さん:
私は県外出身で、大学生になって広島へ移り住みました。広島が平和を発信する地域だなと魅力を感じて、この街でできることをG7サミットのボランティアの一員として取り組んでいきたいと思いました

外国人相手に英語で道案内の練習

田窪さんは英語でのコミュニケーションに磨きをかけるため、大学で外国人の先生の力も借りて念入りに準備を進めている。

サミット開催まで10日あまりとなった5月8日は、宮島までの道案内を英語でやりとり。

先生:
宮島までの行き方を知りたいです

広島女学院大学4年・田窪透子さん:
宮島口駅までJRに乗ってください。そして宮島口からはフェリーに乗ってください。2つのフェリーがあって選ぶことができます

「ボランティアの活動を通して自分も成長したい」。田窪さんは、人と関わることで何かを学ぼうとしている。

広島女学院大学4年・田窪透子さん:
一期一会の学びを大切にしています。海外の方と関わることが好きで、そこからたくさん学びたい。人との出会いから学びたいなって

G7サミット関連の食事会で配膳も

田窪さんにはもう1つ、大きな仕事がある。G7サミットの関連行事で開かれる食事会の配膳だ。その役割に抜擢された学生ボランティアとともに広島市南区の「グランドプリンスホテル広島」で研修を受けた。

G7広島サミットの会場「グランドプリンスホテル広島」
G7広島サミットの会場「グランドプリンスホテル広島」

研修では、現役のホテルマンからテーブルマナーや配膳の仕方を繰り返し学ぶ。

学生たちにとってはなじみのないことばかり。隣の学生と動きをそろえ、ポットからカップへ注ぐタイミングもぴったり合わせなければならない。

配膳の研修を受ける田窪さん(右から2番目)
配膳の研修を受ける田窪さん(右から2番目)

失敗は許されない…。田窪さんから伝わる緊張感。トレーをにぎる手や、肩にまで力が入る。

広島女学院大学4年・田窪透子さん:
練習で使用しているトレーの方が重たいのと、丁寧にしようと思うとやっぱり力が入ってしまいます。力を抜いて、緊張に負けないように落ち着いて。あとは楽しむ余裕が本番に持てるように練習を繰り返していきたいと思っています

「学生でも、G7広島サミットに携わりたい」…そんな強い思いを持った田窪さん。あふれる笑顔で最高のおもてなしを見せてくれそうだ。

(テレビ新広島)

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