かつて、修験道の修行が盛んに行われた長野県の北部・飯山市にある小菅集落。ここで「山伏修行」が体験できる。心がリセットできるという修行体験に毛織華澄アナウンサーがチャレンジした。
最盛期は約300人が修行

長野県の北部・飯山市にある小菅集落。
ガイドは山形・出羽三山などで山伏修行を積んだ志田吉隆さん。
集落を抱く小菅山はかつて栄えた修験道の霊場だ。
ガイド・志田吉隆さん:
今から約1300年前に「役小角(えんのおづぬ)」という修験道の開祖と呼ばれている方が開山された。最盛期は300人くらいのお坊さんや修験者(山伏)がこの集落で生活をして修行に励んでいた

参道を登ること1時間半
まずは身支度。
一枚布の「宝冠」をかぶり、足元は、土や岩など自然の豊かさが感じられる地下足袋がおすすめ。

目指すは頂上付近にある小菅神社奥社。
道中、私語は厳禁。もちろん、携帯電話を触るのも禁止だ。
ひたすら自分と向き合いながら参道を登る。

縁結びのご利益もある「愛染明王」を祭る「愛染岩」でお祈り―。

急なくさり場を登ると―。
千曲川と飯山市街地が一望できる。
NBS・毛織華澄アナウンサー:
おーきれい!
思わず声が―。

参道を登ることおよそ1時間半。
爽快感と達成感
霊験あらたかな小菅神社奥社。
戦国時代には上杉謙信がここで戦勝祈願をしたと伝えられている。
社殿の中には、背後の岩場から滴る水がたまった池があり、信仰の対象となってきた。

NBS・毛織華澄アナウンサー:
かなり道のりが長く感じたんですけど、やはり登ってきて最後お参りをすると、爽快感と達成感と心が落ち着きます

下山後、奥社参拝の証し「登拝証」をいただいた。
ガイド・志田吉隆さん:
疲れたりとか、先が明るく考えられないとか、そういうときにこそ(自分も)木だとか石だとか、そういうものの一部だと感じてもらいながら、汗を流して、すがすがしい気持ちで下りてくる、そこが山伏体験の本質的な部分だと思う

そば打ち体験
山伏体験のあとはそば打ち体験。東京都出身の志田さん、実は移住する前、都内で飲食店を経営していて、そば打ちも得意だ。
現在は築200年の古民家を改装した宿「七星庵」の管理人を務めていて、山伏も、そば打ちも、宿の体験プランとして始めたもの。

毛織アナウンサーも体験したが―。

形はふぞろいに。
NBS・毛織華澄アナウンサー:
太いところはそばの味を倍感じられるということで、おいしいですね
里山の景観を守りたい

小菅の里は国の重要文化的景観に指定されている。
志田さんは、自身を魅了したその景観を守りたいと、宿を運営し、体験プランに取り組んでいる。
ガイド・志田吉隆さん:
(過疎化で)人が少なくなっていって、営みが消えていくことで景観が失われていく。営みを新たにわれわれでつくってその景観を取り戻そうと。里山の中に入り込むみたいなそういう体験をしていただけたらいいなと

NBS・毛織華澄アナウンサー:
里山という名のテーマパークみたいな?
ガイド・志田吉隆さん:
そう、そういう感じ
(長野放送)