対面せずに買い物ができる自動販売機は、コロナ禍で秋田県内にも数多く設置された。今回注目したのは、にかほ市で海の幸を販売する自動販売機。鮮度抜群のおいしさで大人気の自販機は、「もったいない」を解決する鍵になりそうだ。

漁師が企画 海の幸を販売する自動販売機

菅原咲子アナウンサー:
まるで大漁旗を思わせるデザイン。そして、販売されているのは漬け丼の具材に刺し身。漁師がプロデュースする自動販売機です

刺し身などの商品を販売する自動販売機
刺し身などの商品を販売する自動販売機
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にかほ市平沢の居酒屋に3月25日から設置されている冷凍自動販売機。企画したのは、にかほ市の金浦漁港を拠点とする漁師・佐藤正勝さんだ。

秋田の魚の知名度アップを目指し、これまでも漁の様子をリアルタイムで配信しながら魚を販売する「ライブコマース」など、ほかにはない取り組みに挑戦してきた。

「気軽に未利用魚を手に取って」

そんな佐藤さんが目を付けたのが、自動販売機だった。

自動販売機をプロデュース・佐藤正勝さん:
対面式ではないので、お客さん一人一人が好きな時間に買えるのがいいと思う

時期によって入れ替えはあるが、ラインナップは刺し身やアヒージョなど常時5種類で、価格はいずれも500円前後。佐藤さんが水揚げした魚が使われている。

佐藤正勝さん:
ヤナギノマイという、地元ではポピュラーな魚だが、小さい魚体は「未利用魚」。市場に上げてもお金にならないので、こういうものを使って何か料理ができればと

未利用魚とは、まとまった漁獲量がない、サイズが規格外などの理由から市場に出回らず、廃棄されてしまうことが多い魚のことだ。

この未利用魚を消費者に手に取ってもらうため、自動販売機で販売することを決めた。

佐藤正勝さん:
未利用魚という名前が付くと、まるで「訳あり」のイメージだが、本当は食べるとおいしい

味と手ごろな価格で人気商品に

未利用魚を活用したメニューの開発や調理は、自動販売機を設置した居酒屋の協力を得ている。取れたての魚を店に持ち込んで加工し、急速冷凍することで、鮮度を保ったまま提供できる。

気になるのはその味! 近日発売予定の新商品「クロガレイの煮付け」をいただいた。凍ったまま電子レンジで加熱するだけで、出来たてのおいしさを楽しめる。

菅原咲子アナウンサー:
身がホロホロ、そしてあまじょっぱい絶妙な味付けは、ご飯にもお酒にも合う。煮付けは作るのに手間がかかるので、手軽に食べられるのはうれしい

身がホロホロでとてもおいしい「クロガレイの煮付け」
身がホロホロでとてもおいしい「クロガレイの煮付け」

設置から1カ月。おいしさと手ごろな価格が人気を呼び、仕込みが間に合わない状態だという。

佐藤正勝さん:
自分たちのもうけよりも、まずはこれを愛用してもらう、そこからのスタート。未利用魚は安かろうまずかろうではなく、食べれば鮮度が高くておいしい。それを再確認してほしい

(秋田テレビ)

秋田テレビ
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