ホテルやレストランなどを備えた新しい観光複合施設が、島根・出雲市に5月1日オープンする。オープンを前に、日本海を一望できる海沿いの高台というロケーションを生かしたユニークな新施設を取材した。
出雲に誕生「崖の中のホテル」
出雲市多伎町から湖陵町にかけての海岸線。日本海を臨む高台の上に、グレーの建物が並ぶ。
この記事の画像(13枚)「WINDY FARM ATMOSPHERE」は、 ホテルやレストラン、パーキングエリアを備えた観光複合施設で、5月1日にオープンする予定だ。
運営会社「バルニバービ」・佐藤裕久代表取締役:
ここまで景色がすばらしく、流れる空気が良い場所はない。10分のストップでも、2時間のディナーでも、一晩の宿泊でも、ここで過ごしていただければ
施設があるのは、日本海を一望できる海沿いの高台の上。 そのロケーションを生かして造られたのが、上空から見ると八つの丸い建物だ。
TSKさんいん中央テレビ・村上遥アナウンサー:
中に入ってみますと、このオーシャンビューが最高ですね
施設のランドマークにもなっているホテル。外観は一見普通のホテルだが、客室があるのは「地下1階」。 まるで洞窟のような、長い廊下の先にある客室はコンクリート打ち放しで、モダンかつ落ち着いた雰囲気だ。
そして、窓からはオーシャンンビュー。日本海の絶景が広がる。 ちょっと不思議な作りのホテルだが、外から見ると切り立った岩壁を掘り込んでつくられた、洞穴のような空間に客室がある。いわば「崖の中のホテル」だ。 他の建物などに遮られることなく絶景を楽しんでもらおうと、あえて「崖の中」に部屋をしつらえたという。
部屋ごとにテラスに気泡風呂が備えられ、天気に恵まれれば、日本海に沈む夕日を眺めながらくつろぐことができる。宿泊客限定のサウナも備え、利用は1組ごとに貸切で、こちらもオーシャンビューだ。
また、レストランでは「食による地方創生」を掲げ、地元産の食材をふんだんに使う。特製のまきのグリルで焼いた島根和牛、魚介類や野菜も地元産。「地産地消」にこだわった。 食事中も開放的な窓越しに、そして屋外のテラスから、日本海の絶景を楽しめる。
「住みたくなるまち」目指す
さらには、こんな設備も。
TSKさんいん中央テレビ・村上遥アナウンサー:
こちらのパーキングエリアでは、地元の食材を使ったアイスなどが販売されています
山陰道・多伎インターと出雲大社を結ぶ道路沿いという立地を生かして、パーキングエリアも整備。200台収容の駐車場を備え、その一角にはアイスクリームやスイーツ、肉厚の島根和牛を使ったハンバーガーを提供するフードコーナー、土産物の販売コーナーも設けられた。 ドライブ途中の観光客もターゲットだ。 施設全体の面積は約5ヘクタール。
全国で飲食店経営などを手がける大阪の企業と、島根銀行、SBIホールディングス、それに出雲市の地域活性化を目指し設立された特別目的会社が、10億円をかけて施設を整備した。 当面は年間3億円から4億円の売り上げを目指すということだ。
運営会社「バルニバービ」・佐藤裕久代表取締役:
観光で訪れたい、プラス、働きたい。そして、住みたくなるまち。もう一度、このまちに戻ってきたくなる。そんなふうに『住みたくなるまち』をつくっていくことこそが、地域の再生・創生につながると思う
出雲大社周辺の新しい観光スポットとして期待されるこの施設には、今後、農園を備えた住宅なども整備される計画で、観光をきっかけにした新しいまちづくりも目指している。
(TSKさんいん中央テレビ)