和菓子どころ・松江の魅力を若い世代にも知ってもらおうと、松江城周辺の堀川を巡る遊覧船を使ったユニークなイベントが開かれた。企画したのは3人の女子大学生。お茶や和菓子の文化を若い世代にも身近なものに…。若い感覚とアイデアが生かされたイベントを取材した。

きっかけは県外出身の学生の声

4月15日、島根・松江市の堀川遊覧船乗り場。次々とやってくる大学生。受付で出迎えるのも、島根大学の3人の女子学生。イベントの「仕掛け人」だ。

受付で出迎える3人の女子学生
受付で出迎える3人の女子学生
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学生たちを乗せ、堀川めぐりに出発した遊覧船。ここで披露されたのは…。

お点前を手ほどきする茶道部員の学生
お点前を手ほどきする茶道部員の学生

島根大学・茶道部員:
ひらがなの「の」書くような感じで

お茶をたてる参加者
お茶をたてる参加者

茶道のお点前。茶道部員の手ほどきで参加者がお茶をたて、松江の和菓子を味わった。茶どころで、和菓子どころでもある松江の魅力を若い世代に知ってもらおうと、3月に続いて行われた。

企画した大学生:
家族が島根県に来た時に、堀川めぐりと和菓子、どちらも楽しんでもらいたいけど、時間がなくて残念だと思って

お茶を味わう参加者
お茶を味わう参加者

きっかけになったのは、こんな県外出身の学生の声。イベントには、そんな県外出身の学生にも参加を呼びかけた。

約半年間かけたオリジナルの和菓子

お茶請けに出されたのは、3種類の和菓子。和菓子の老舗・彩雲堂と、島根大学法文学部の学生がアイデアを出し合い、約半年間がかりで完成させた。

企画した学生:
お召し上がりいただいたお菓子なんですけど、島大生がアイデアを出して、彩雲堂さんに形にしていただいた

(左から)「結び」、「花いかだ」、「出会い」
(左から)「結び」、「花いかだ」、「出会い」

水引をあしらって、水面に浮かぶさくらの花びらをイメージした「結び」。
ほうじ茶のあんをピンクや黄色、黄緑の皮で包んで、人と人との交わりを表現した「出会い」。
そして、「花いかだ」は、桜の花びらをモチーフに川の流れを繊細に表現。波紋も再現され、目でも楽しめる一品に仕上がった。
モチーフは春の「出会いと別れ」だが、お菓子の形や色づかいには、若者らしい感覚が生かされた。

ツアー参加者:
どこから見ても美しいお菓子で、食感もすごく楽しい。おいしくいただきました

ツアー参加者:
実は島根大OBなんですけど、春の風情を船で楽しみたいと思い、参加させていただきました

お茶や和菓子の文化をもっと身近に

若い世代に「和菓子離れ」が進む中、学生たちに全国有数の菓子どころ・松江の魅力を知ってもらい、和菓子をもっと気軽に楽しんでほしいと、SNSなどでもイベントの情報を発信。遊覧船の協力で「学割」も用意したところ、予想を超える学生の参加があった。

参加した大学生:
小雨の中でも春の気分を味わいながらお茶が飲めて、とてもよかったです

参加した大学生:
ただでさえすばらしい遊覧船に加え、こういう体験ができたというのはすばらしかった

堀川遊覧船管理事務所・吉岡英志所長:
遊覧船もいろいろなパターンがあっていいと思います。学生さんに若い力で自ら発信していただく。そういった中に松江の和菓子、お茶の文化といったものも交えて、観光客のおもてなしにつながればと思います

お茶と和菓子を味わう参加者
お茶と和菓子を味わう参加者

学生たちは今後もこのイベントを開催する予定で、若い世代に松江に根付くお茶や和菓子の文化をより身近に感じてほしいと話している。

(TSKさんいん中央テレビ)

TSKさんいん中央テレビ
TSKさんいん中央テレビ

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