4月3日、福井・小浜沖の定置網に大型マグロ4匹がかかった。4匹とも最高級のクロマグロで、中には200kgを超えるものもあった。地元漁師からは「初めての出来事」と驚きの声が聞かれたが、その要因を調べると「国の管理」という事実に行きついた。

実を結んだ“資源管理の取り組み”

クロマグロは通常、アメリカ西海岸や日本周辺を周遊する。小浜沖でも時々、クロマグロはとれたが、今回のように200kgの大型マグロが見つかるのは極めて珍しい。しかも、一挙に4匹もというのは異例中の異例だ。

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専門家は大型マグロがとれた理由の一つに「漁獲量の管理」をあげた。

県水産試験場 海洋研究部・河野展久部長:
若狭湾では3~4月にまとまってとれる時期。国をあげて資源管理に取り組み、10年ほど小さな魚を取らないようにしてきたところ、大きな魚も増えてきた。その中で大型のクロマグロもとれたのではないか

クロマグロの減少を受けて水産庁は2015年から、全国の漁業者にクロマグロをとらないよう求めてきた。
それから8年後の今年、小浜沖で大型マグロが網にかかった。今回とれた200kg超えのマグロは10歳以上とみられる。国が続けてきた資源保護の取り組みの成果と、おおむね符合する。

――今後も大物がとれる可能性は?

県水産試験場 海洋研究部・河野展久部長:
国の一元管理の取り組みが功を奏して、国は日本周辺のクロマグロが増えているとの見方を示している。今後も大きなマグロがとれる可能性は十分にある

クロマグロがとれた翌日にも、近くの福井・敦賀市の定置網で100kgを超えるマグロが釣れた。
今後も福井沖で200kgを超える大物がとれる可能性がある。状態が良ければ1本数百万円もの値が付けられることもあり、地元漁師にとっては明るい話題となっている。

(福井テレビ)

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