神戸市東灘区にある、歩道も車道も5メートル幅の市道。長さ4キロのこの道では整備が進められているが、“地域住民が抱える悩みごと”によって、工事が中断されている場所がある。現地を取材した。

地域住民が抱える「悩みごと」とは

実はこの市道、車道は一方通行になっているが、今後は「対面通行」になる予定。住民からは「車道の道幅が5メートルのままで車が行き違えるのか?」という声が上がっている。

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車で通行している人:
この幅で相互通行は結構しんどくないですか?

歩行者:
一方通行じゃなかったらちょっと狭いですよね。行き違いするのに

実際に対面通行となれば、車がすれ違う時に問題はないのか?

記者リポート:
道路脇に止まっている軽自動車の横を乗用車は通り抜けることができています

しかし、通行する車両が大型になると……

大型トラックを使う会社社長:
(道路脇に)寄ったとしてもこんなもんですよ。残った余白はこれだけですよ

大型トラックの横をワゴン車が通ろうとしたが、通り抜けることができない。

さらに、この先に進んでみると…

坂元龍斗フィールドキャスター:
私が今いるのは歩道で幅8mあります。一方で車道は幅5mしかありません。確かに歩道の方が広いという感じがしますし、果たして車がすれ違うことができるのかなという感じがします

車道よりも歩道が広い道路。車道は今後、対面通行になる予定だ。

「アンバランスな道路」が生まれた経緯は

一体なぜ、「アンバランスな道路」が生まれたのか。

事の発端は1983年。阪神電鉄が線路を高架にする事業に伴い、神戸市は周辺の道路の整備を始めた。

土地買収に応じた地元の人:
私たちが立ち退く時は原点の話に戻りますけども、7.5メートルの車道を作るという約束だった

当時の都市計画の図面を見ると、歩道が2.5メートルに対し、車道は7.5メートル。その後車道を一方通行にするか、対面通行にするかで、住民アンケートが実施された。

ほとんどの人が一方通行を要望したが、「どうしても対面通行にしてほしい」という声もあり、そこで出てきた「折衷案」が…

地元の人:
双方向でもいいけども、道幅を狭くしてくれという案が出たんです。すれ違いにくいのはわかっているけどスピード出せないでしょと

2018年に地元のまちづくり協議会が、「歩行者の安全を最優先にしてほしい」と神戸市に要望。こうした経緯を経て、車道は幅5メートルで対面通行に。歩道は車道よりも広くなった。

神戸市に車道を広げる考えについて聞いたところ、歩行者優先の観点や車の速度低下が難しくなるという観点から5メートルが最適と考えているということだ。

「早く工事を進めてほしい」住民の切実な声も

また、神戸市は住民にもアンケートをとっていて、「そのままでいい」という意見が5割、「車道を広げてほしい」という意見が4割だった。

関西テレビが住民に話を聞いたところ、「広げた方がいい」「これだけあれば問題ない」「対面通行でいいから、早く工事を進めてほしい」などさまざまな声があった。

(2023年4月14日 関西テレビ「newsランナー」放送)

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