水やお湯を加えるだけで食べることができる「アルファ米」などの大量生産につながる機械を、米沢市のベンチャー企業「アルファテック」が開発した。課題となっていた「低コストでの量産化」にめどが立ち、今後の展開に期待が高まる。

従来の2~3倍の量を処理

開発したのは、山形・米沢市に本社を置く、山形大学発のベンチャー企業「アルファテック」だ。アルファテックでは、山形大学大学院の西岡昭博教授が開発した、水を使わずに加熱・粉砕だけで穀物のうまみを保つ「アルファ化」の技術をもとに、新たな技術開発に取り組んできた。

従来の2~3倍の処理が可能に
従来の2~3倍の処理が可能に
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7,000万円ほどかけて導入した大型機械は、1時間あたり35kgと、従来の2倍から3倍の量を処理できるようになる。

2023年度は、山形大学農学部などと連携しながら、家畜用の飼料としての需要を探っていくという。

食糧危機に対する「大きな革命に」

アルファ化した穀物の「消化・吸収性の良さ」は牛や豚などでも効果が確認されている。

実際に生成されたアルファ化穀物
実際に生成されたアルファ化穀物

穀物の畜産飼料量を減らすことができれば、世界の食糧危機打開にもつながる可能性があると期待されている。

アルファテック代表取締役CEO・駒井雄一氏
アルファテック代表取締役CEO・駒井雄一氏

アルファテック代表取締役CEO・駒井雄一氏:
世界的に見れば、まだまだ人口が爆発していて食糧が足りない状況が続く。それを5%でも10%でも増やすことができれば大きな革命になる。その最初の発明が山形大学で行われている。山形から世界に発信できればいい

アルファテックでは今後、食品としての利用のほか、バイオマス原料の製造にも活用できるように研究を重ね、2025年度の黒字化を目指すとしている。

(さくらんぼテレビ)

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