本物のような立体感のある“眼鏡”の絵がInstagramで話題となっている。
まずは「色鉛筆で眼鏡描きました」とのコメントと共に、篠さん(@shino__0215)が投稿した作品を見てほしい。

1枚の白い紙の上に置いてあるのは、少し色のついたレンズに太いフレームの“眼鏡”。部屋の照明によって輝くツヤや質感、ぼんやりと浮かぶ影など、本物にしか見えないが、篠さんが色鉛筆で描いた“絵”だというのだ。

絵であることを証明するために、紙の上で鉛筆を転がしている様子も動画に収められている。鉛筆は何かに引っかかることなく眼鏡の上をコロコロと転がっていった。

実際に色を塗っている手元の様子を見ても、白い色鉛筆で眼鏡のフレームをこすっているように見えてしまう。あまりにもリアルなクオリティに驚いた人も多いことだろう。
Instagramでも「凄すぎて目がおかしくなりそう」「どう見てもメガネがそこにあります 凄い」「凄すぎる才能、羨ましいです」といった驚きと称賛の声が多く寄せられており、3万4000のいいねがつく話題となっている(5月2日時点)。
「出来栄えはそこまで良い訳ではない」
どのようにしてこんなにもリアルな絵を描いたのか?他にはどんな作品があるのかも気になる。色鉛筆画家の篠さんに話を聞いてみた。
ーーなぜ眼鏡をモチーフにした?どれくらいの期間で描いた?
お気に入りのメガネで、絵に残したいと考えたためです。1日に2〜3時間ほど、期間は1週間ほどです。
ーーどのようにして描いたの?
使った色鉛筆は20色程度です。モチーフを斜めから撮り、スキャンアプリで画像を縦に伸ばしたものを下書きして、その画像を見ながら一部ずつ色を置いていくように進めています。

ーーリアルに描くためのコツや工夫した点を教えて。
光の当たり方や影の落ち方を考えながら描くことです。画像を見ながら書きますが、実物を見ながら色を決めることもあります。
ーー難しかった部分はどこになる?出来栄えは?
色を塗る工程より、下書きで形が狂わないようにすることがむずかしかったです。正直、出来栄えはそこまで良い訳ではなく、まだ色を選ぶのが下手くそだなと感じています。

ーー投稿が話題となっているが?
多くの方に見ていただけて非常にありがたく思っております。この機会に絵を描く人が増えればより嬉しく思います。
コロナ禍で新たな趣味として本格的に開始
ーーいつ頃からこういったリアルな絵を描き始めた?
絵を描くことは幼少期から好きでしたが、本格的に始めたのは3年ほど前からで、新型コロナウイルスが流行して、自宅で過ごす時間が増えたため、新たに趣味として始めました。

今まで描いた作品は30点ほどかと思います。身近なもので、自分が描きたいと思ったものを描いています。

ーー今まで印象に残っている作品を教えて。
印象的な作品は、薔薇の絵です。個展のために描いたもので、2カ月ほど掛けて描いたもので、今でも気に入っています。花弁の重なりが自然に見えるようこだわりました。特に中心は丁寧に仕上げました。

ーー今後はどういった作品を描いていく予定?
今後は、そこにあるものを描くだけでなく、自分らしさを取り入れた作品を描いていきたいと考えています。
篠さんは今まで独学で絵を描いてきたそうで、2023年4月から専門学校で美術の勉強をしているという。これからさらに技術がアップし、より素敵な作品を生み出していってくれることだろう。今後も楽しみだ。