2023年4月1日から法改正により、自転車に乗る全ての人のヘルメット着用が努力義務となった。仙台市内の自転車店ではヘルメットが品薄となる一方、対応に苦慮するのが、会員登録者数が10万人を超えるシェアサイクルDATE BIKEだ。

ヘルメット着用の努力義務が全ての人に

約100種類のヘルメットを扱う、宮城県仙台市青葉区にある自転車販売店。店内には自転車のヘルメットが所狭しと並ぶ。店員に話を聞くと、今多くの人が買い求めに来ているという。

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ハヤサカ・サイクル仙台中央店 鳴海健さん:
ヘルメットについて電話の問い合わせでもだいたい1日10件以上は頂戴していますし、ご来店いただく方、ヘルメットを求めて来られる方、前年比5倍くらいの反響はいただいています。

人気の背景は、4月1日の改正道路交通法の施行。これまで13歳未満が対象だったヘルメット着用の努力義務が全ての人に拡大されたことだ。その人気ぶりは、10月まで入荷待ちのヘルメットもあるというくらいだ。

ハヤサカサイクル仙台中央店 鳴海健さん:
この下に通常は在庫が並んでいるんですが、もう隙間ができるくらい。毎日のようにメーカーの方から入荷しているような状態です。

対応に苦慮するDATE BIKE

罰則はなく、ヘルメット着用はあくまで「努力義務」。対応に苦慮するのは、仙台市の自転車レンタルシェアサービスDATE BIKEだ。3月時点で仙台市内125カ所に専用の駐輪場が設置され、合わせて940台の自転車を貸し出している。

気軽に利用できる点などから、会員登録者数は10万人を超え、2022年4月から10カ月間の利用回数は「86万回以上」と、「お手軽」な交通手段の一つとして広く認知されている。一方、仙台市の担当者はヘルメットの貸し出しは「現実的ではない」とした上で、利用の際には、自身でヘルメットを用意してほしいと呼びかけている。

仙台市自転車交通安全課 加藤隆一 課長:
設置スペースの問題やヘルメットも人によってサイズが異なるので、そこを全てそろえるのは設備面でも難しい。DATE BIKEは非常に便利で手軽な乗り物ですので、万が一事故にあった時の身の安全を守るためにヘルメットの着用をお願いしたい。

宮城県警によると、県内では去年までの5年間で、自転車に乗っていて交通事故に遭い、亡くなったのは24人。うち、23人が事故当時ヘルメットを着用していなかった。

罰則はない努力義務・自転車利用時の「ヘルメット着用」。あなたはどうしますか?

(仙台放送)

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