ゲームが欲しい子ども、与えていいか悩む父親。ありがちな親子のやり取りのはずが予想以上に“ガチ”だとTwitterで話題となっている。
ロボ太(@kaityo256)さんに、12歳の息子からお願いがあったのは3月18日のこと。中世~近世の歴史をテーマにしたゲーム「ヨーロッパ・ユニバーサリス4」(EU4)が欲しいというものだった。

普段は自由に購入させているが、今回はクレジットカードの決済が必要なこともあって、ロボ太さんは「それじゃどうしてゲームが必要かプレゼンしてみろ」と提案したという。そうしたところ、息子さんは必要性を資料を作ってプレゼンしてみせたというのだ。
渾身のプレゼンで父親を納得させる
パソコンで作ったという、実際の資料がこちらだ。

内容を見ると、息子さんはまず「ゲームを買うと遊び時間が増えるという認識がありますが 実はそれ大きな間違いです」とした上で、購入前・購入後の日常のスケジュールを図で解説。
ゲームの種類が変わるだけで、遊ぶ時間の合計は「買おうが買わないがおんなじです」としている。

その上で、EU4がなぜ欲しいのか伝えようと、さまざまな国で遊べて国同士の外交が大切なゲームで、苦手な中世の世界史を学ぶことに役立つことや、YouTubeの視聴時間が減るといった購入するメリットをアピールした。
まとめではダメ押しとして「値段は全額私が負担」と自腹であることも強調した。渾身のプレゼンに、ロボ太さんも購入を認めたという。

完成度の高さに、Twitterでは「これは承認したくなる」「ワイよりプレゼン資料作るの上手くて草」などと反響を呼び、3万8000以上のいいねを集めている。(3月23日時点)
冗談で言ったらノリノリで作ってきた
ロボ太さんはどうしてプレゼンを提案したのだろう。EU4の開発元「パラドックスインタラクティブ」のゲームは夢中になることで知られるが、息子さんは購入後、プレゼンの範囲で遊べているのだろうか。その後を聞いた。
――息子さんがEU4を欲しがったのはなぜ?
もともとは「信長の野望」が好きだったのですが、YouTubeの動画の影響で「HoI4」(第二次世界大戦を題材にしたパラドックスのゲーム)も始めました。そして、EU4が欲しくなったのだと思います。

――どうして、ゲームの必要性をプレゼンさせた?
息子から「お小遣いで買うから」と言われたのですが、HoI4を既にかなり遊んでいて、ゲームで勉強や睡眠に影響が出るのでは、と難色を示しました。それでも欲しいというので、以前から小学校でプレゼンを作っているのを思いだして、冗談で言ったところ、本人がノリノリで作ってきて驚きました。
――実際のプレゼンはどのように行われた?
準備ができたら呼ぶように伝えて(自宅で)仕事をしてたら、すぐに「できた」と言われました。20分ほどだったと思います。見に行ったら、PCを使ってスライドショーモードでプレゼンされました。
プレゼンが認められてガッツポーズ
――プレゼンを見て思ったことは?
こちらが一番心配している、勉強と睡眠の時間について、ちゃんと方針を示したのは感心しました。YouTubeの時間が減ることをメリットとして示したのは「親の言動をよく見てるな」と思いました。
――購入が認められた、息子さんの反応は?
「すごいな。わかった、買っていいよ」と言ったら「よっしゃー!」とガッツポーズをしていました。ゲームも嬉しかったのだと思いますが、それより自分のプレゼンが認められたのが嬉しそうでした。

――息子さんのプレゼンは今回が初めて?
学校の授業では何度か経験があるようです。クラスメートに発表したほか、ディベートの授業で先生に褒められたことがあると聞きました。ただ、親に対するプレゼンはこれがはじめてです。
プレゼンの約束は守られた?
――息子さんはEU4を楽しんでいる?
家族旅行に出掛けたのですが、帰ってくるとすぐに荷物を放り出して、パソコンに向かってプレイしていました。「PC/iPadはこの時間まで」と決められた時間は一応守っていて、YouTubeはほとんど見ていないようです。そういう意味では、プレゼン通りだったといえなくもありません。相変わらず勉強はちっともしていませんが。
――話題となったことの受け止めを聞かせて。
普通の親子の会話だと思っていたので、驚いています。(息子には)ゲームは楽しくプレイしてくれればそれでいいですが、親としては熱量をもう少し勉強に向けてほしいところです。
息子がゲーム欲しいというので、「それじゃどうしてゲームが必要かプレゼンしてみろ」と言ったら作ってきたプレゼンがわりとガチだった(公開は息子承諾済み)。 pic.twitter.com/Rye800Umuv
— ロボ太 (@kaityo256) March 18, 2023
プレゼンのスキルは社会に出ても大切になってくる。息子さんにとっては、授業で習ったことを役立てる、良い経験になったかもしれない。