防災ヘリポートを平常時は遊覧ヘリが使えるようにして観光振興をはかる取り組みが広島県江田島市で始まった。移住者誘致などで地域活性化に取り組む江田島にまた一つ新たなアイテムが加わる。

空から瀬戸内海の島々や宮島を一望

加藤雅也アナウンサー:
小型のヘリコプターが旋回をして着陸態勢に入ったんでしょうか、高度が下がってきましたね

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ドクターヘリが使用するヘリポートに着陸した一機の民間ヘリ。

江田島の新たな“観光ツール”として旅行会社などが注目するのが、ヘリコプター。

ヘリに乗り込む加藤雅也アナウンサー
ヘリに乗り込む加藤雅也アナウンサー

機内はエンジン音が響くがヘッドセットを使うことでしっかりと会話することができる。
空からは、江田島の姿や周辺に点在する島々、美しい海の景色が眺められる。

飛び立ってから約5分すると…。

加藤雅也アナウンサー:
見えてきました!広島の誇る世界遺産、厳島神社の大鳥居がいま上空から見ることができます。いや~絶景ですね。なかなかこの上空から厳島神社を見下ろす形でみるという経験、貴重ですよね

今回、試乗した機体はパイロット以外に3人まで搭乗が可能。

運航するのは全国で遊覧ヘリ事業を展開する会社。
Space Aviation・保田晃宏CEO:
数年前から模索してきたが、大きく観光の在り方や移動の在り方は変わってくるかなと思っていて、そこを実際に皆様に認知いただいて、面白いエリアに変えていければと思っている

防災ヘリポートを平常時は観光用にも使えるように新たな協定締結

このヘリ運航会社は、江田島市と航空機を活用した産業振興と災害応急対策に関する協定を結び、市内の防災ヘリポートで観光客の乗降が可能になった。

ヘリを通じて様々な観光振興に貢献していく一方、市にとっては災害など「有事」の際に人員や物資の輸送、情報収集などで助けを求めることができるという。
江田島市・明岳周作 市長:
今までになかったことですから、ある意味、江田島も新たに生まれ変わるというか、より活性化につながってくる

江田島市の宿泊施設も大きな期待をよせる。
江田島荘 阿部直樹 総支配人:
江田島で営業を3年してきて、アクセスの悪さをずっと言われてきた。遊覧ができるというのは強いコンテンツになると期待している

また、ヘリポートには実際に観光客へのプランを考える旅行会社も視察に訪れ、商談に熱が入る。
遊覧を体験した旅行会社の担当者A:
特別感がすごくあって8分乗っていたと思うが8分以上に感じた。

遊覧を体験した旅行会社の担当者B:
江田島は今ホットな観光地だと私たちは思っていて、その中のアイテムの一つとしては最高だと思っている

Q:ターゲットとなりそうな客層は?
遊覧を体験した旅行会社の担当者C:
インバウンドの方は“ヘリに乗ったことあるよ”という方が多いと思うので、それを日本でどう活かすか、高級層向けのプランになるかなと思う

一方、広島空港から直接くる場合、陸路や船を使うと1時間半ほどかかるが、ヘリに乗るとわずか20分。

価格は現在調整中とのことだが、他県のエリアでは20分で6万6000円で3人で割ると、1人2万2000円となる。

広島国際空港・中村康浩 社長:
ヘリコプターをつかって観光という流れができてくれば、また広島空港も一つの拠点として使っていただける機会が増える

インバウンド客の増加が期待される中、観光ヘリが江田島のよさをアピールするアイテムとなるかどうか、今後の展開から目が離せない。

(テレビ新広島)

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