宗教団体「エホバの証人」の元2世信者が14日、ムチ打ちの被害についてのアンケートの回答をまとめた報告書を厚労省に提出した。
イット!は14日、元2世信者の男性を取材。男性は「ムチによる懲らしめは日常的に行われていた」と証言した。
尻に直接バシバシと…日常的に行われた“ムチ打ち”
「エホバの証人」の元2世信者、小松猛さん(40)。
この記事の画像(10枚)小松さんは、幼い頃に親からムチでたたかれていた経験を明かした。
元2世信者・小松猛さん:
革製のベルトを2重、3重にして、さらにビニールテープあるいはガムテープでぐるぐる巻きにして、生のお尻にこう(バシバシ)やる感じ。
元2世信者・小松猛さん:
ムチによる懲らしめは日常的に行われていました。
エホバの証人では、子どもへのしつけを“むち”と呼んでいる。
教団のホームページには、「むちを控える人は子供を憎んでいる」「子供を愛する人は懲らしめを怠らない」と、聖書の教えが記されている。
小松さんは幼い頃、集会などで静かにできなかったりすると、“愛のある懲らしめ”として、平均20回もムチでたたかれたという。
小松さん:
四つんばいのような形で、ズボンもパンツも下ろした生の尻に、革製ベルトを用いてバシバシと。ももから尻から(守ろうとして)手まで真っ赤になって、ミミズ腫れになります。
元2世信者が厚労省に報告書提出
こうした“ムチ打ち”の被害を、記録に残す動きが出ている。
14日午後に会見を開いたのは、元2世信者の奥田咲里栄さんと綿和孝さん(仮名)。
2人がSNSで、ムチ打ちの被害についてアンケートを行ったところ、200以上の声が寄せられ、それらをまとめた報告書を14日、厚労省に提出した。
元2世信者・奥田咲里栄さん:
(ムチ打ちは)いくつもある問題のうちの、氷山の一角に過ぎないと考えています
こうした子どもへの“ムチ打ち”を、エホバの証人はどう説明するのか。
教団は、「エホバの証人は、児童虐待を容認していません」「しつけは子どもに対する愛に基づいて行われるべきであり、決して虐待したり、冷酷に接したりすべきではありません」としている。
小松さんは、教団を脱会して20年が経った今も、教団への激しい怒りを抱き続けている。
小松さん:
教唆してきた教団への怒り、そして今なお、教えを強制していないという発言。非常に激しい憤りを感じています。
厚労省のガイドラインでは、「理由の如何に関わらず、児童をたたく、むちで打つなど暴行を加えることは身体的虐待に該当する」と定めている。
(「イット!」3月14日放送より)