食卓に欠かせない食材の1つ、卵の値上げが止まらない。そんな中、できるだけ値上げしない、赤字覚悟で特売を続ける店などを取材した。

卵の高騰 去年の倍近くに

しっとりとした食パンにはさまれた、たっぷりの卵。卵があふれるほど入ったたまごサンドが大人気の札幌市北区にある「サンドリア屯田店」だ。

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全て手作りで、食事系からスイーツ系まで約30種類取り揃えている。

客:
ダブルエッグください

1番人気のダブルエッグは1袋で卵1個以上を使用している。この具材の贅沢さも魅力だ。

サンドリアでは卵を使ったサンドイッチが人気で、屯田店では多い日で900個ほどの卵を使っている。

サンドリア札幌・津田哲平社長:
売れている商品が卵を使ったサンド。卵を確保するのも卵業者と話し合いながら、量も減らさず値段もそのままいきたいと思っている

こちらでは物価の高騰の影響で、2022年9月には多くの商品で20~30円の値上げを余儀なくされた。

厳しい状況だが、知恵を絞り短期間での再値上げだけは避けたいとしている。

サンドリア札幌・津田哲平社長:
卵だけじゃなく全部高騰している。それでも企業としてやれることはあると思うので、皆でアイデアを出し合いながら値段を変えずにやっていけたらなと思う

高値が続く卵。「JA全農たまご」によると、卵の相場は1キロ335円。
1年前の2月の平均卸売価格1キロ175円と比べると2倍近くになっている。 

札幌市東区にある「マルコストアー東苗穂店」。

新崎真倫記者:
こちらのスーパー、レジに並んでいる人のカゴをみると、ほぼ全員が卵を買っています

この日は、開店当初から18年間続いている毎週日曜日、週に一度の「卵の特売」の日だ。

1000円以上買い物をした人限定で、Lサイズからの卵を1パック98円で買えるというもの。

訪れた人は積み上げられた卵パックの山から次々と手に取って行く。

客:
助かりますよね。Lサイズで安いのはここかなと思ってきている

客:
100円以下の卵なんてない。1週間に1回は間違いなく来ている

こちらの店では卵の高騰前は、通常1パック158円で販売していたのが、いまでは275円と約1.7倍に。

マルコストアー東苗穂店・滝澤翔太店長:
かなり厳しいです。2022年よりも赤字は倍になっている。ほかの商品、野菜や魚や肉も一緒に買ってもらい、1000円以上の限定をつけてやりくりしている

週に一度の卵の特売はできるかぎり続けていきたいとしている。

一方、スーパーの売り場では別な商品にも影響が出ていた。
調理済のおでんが姿を消すというのだ。

メーカーによると、卵の確保ができず、季節ものの商品ということもあり“緊急休売”になるという。

ではこの卵の値上げはいつまで続くのか。

日本養鶏協会によると、今後の鳥インフルエンザの発生状況がポイントになるという。

日本養鶏協会・阪本英樹さん:
いつになったら下がるかというのは難しい。必ず改善するが(鳥インフルが)新規発生出ればその分が帳消しになるので、今後追加の発生がどこまで抑えられるかにかかっている

(北海道文化放送)

北海道文化放送
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