“値上げの波”の中で気になる電気料金。四国電力は、2月分(1月使用分)から、国のエネルギー価格高騰対策を受けて電気料金は引き下がったが、四国電力では春からの値上げを国に申請。
そこで家電のプロに「節電のコツ」を聞く。
各家庭の請求額も徐々に…
テレビ愛媛のニューススタッフの2月分の電気料金のweb明細を見てみる。2月分の請求額で、約4,000円。このうち値下げされた金額は、「燃料費調整額」になる。このスタッフの場合は、796.6円値下げされた。

四国電力によると、一般的な家庭で1カ月あたり、1,820円の値下げで、対象は10月分(9月使用分)までとなる。
ただ、この春からも、さらに電気料金が上がる見込み。四国電力は、国にこの4月からの電気料金の値上げを申請している。申請したのは、多くの家庭が契約する「規制料金」と呼ばれる料金プランで、値上げ幅は平均で28.08%。

そのまま認められれば、一般的な家庭で月に7,915円だった電気料金が、新料金では1万120円と1万円を超えてしまう。特に、電力需要の高まるこの時期、電力会社や契約プランによっては、すでに影響が出ているようだ。
リアルな電気料金 “例年と比べて違いは…?”
―――皆さんのこの冬の電気料金を教えてください
男性:
1万8,000円。去年よりは上がってると思います。単に電気料金が上がった分だと思ってますけど。(生活スタイルに変わっていない?)ない。
女性2人:
4万5,000円。4人家族。結構、倍くらいに上がった。(家族は?)結構、心配しています
1人暮らしの男性:
12月が1万4,000円、1月が1万2,000円。1人暮らしです。以前は普通に使っていても1万円を切っていたけど、ちょっと高くなりよるな。節約しても2,000円しか変わらんかったんで、だいぶしんどいなって
1人暮らしの女性:
7,800円。やっぱり上がってます。1人暮らしです。やっぱりどうしてもエアコンが…。節約しようと思っているんですけど、寒さには勝てないですからね

中には、請求額が倍ほどに上がっている家庭も。節約をしても思うように金額が下がらず、今後の請求額にも不安が残る。
使用割合が高いのは“暖房” 家電アドバイザーが節約のコツを伝授
冬場ということもあって電気料金が高く、値上げの影響を感じている人が多い印象。家庭での冬場の1日の電気の使用割合を見てみる。

最も多いのが「暖房」で、3割以上となっている。次に「冷蔵庫」「照明」が続き、この3つで全体の半分以上を占めている。どれも暮らしに欠かせない家電だが、ちょっとした工夫や意識で、節電や省エネ効果が期待できる。
家電のプロに「節電のコツ」を聞いた。訪れたのは愛媛・松山市の家電量販店。「節電のコツ」を教えてくれるのは、家電アドバイザーの脇野晋一さん。

エディオン松山本店 家電アドバイザー・脇野晋一さん:
毎日使う物ですので電化製品は。以前に比べると電気代を気にされる方も増えてきています
今回は、電気の使用割合の大きい「暖房」「冷蔵庫」「照明」それぞれの節電のコツを教えてもらう。
エディオン松山本店 家電アドバイザー・脇野晋一さん:
フィルター掃除をこまめにしていただく。有効な手だと思います。エアコンは空気を吸い込む時にどうしてもホコリも一緒に吸い込むので、それが詰まってくると風の通りが悪くなりますから、それだけ電気を余分に使います
エディオン松山本店 家電アドバイザー・脇野晋一さん:
吹き出し温度が高いと、それだけ早く快適な温度になります。快適な温度になったら、省エネ運転に変わるので、早く快適な温度にすることが大事

新しいエアコンを購入する場合は、「吹き出し温度」にも注目。吹き出し温度が高いモデルの場合、部屋をいち早く暖めることができるため、その後は電力を抑えた効率の良い運転につながるそうだ。
さらにこんなアイテムも…。
エディオン松山本店 家電アドバイザー・脇野晋一さん:
サーキュレーターです。暖かい空気は上にあがるので、風をあてて循環させます

エアコンを使う際は、サーキュレーターとの併用がおすすめ。空気を循環させ、部屋全体を暖めることで暖房効率がアップ、節電につながる。
エディオン松山本店 家電アドバイザー・脇野晋一さん:
冷蔵庫の場合は、コンセントを抜いて節電できないので動きっぱなしになります。冬場に外の気温が下がったら運転を弱くします
冷蔵庫の設定温度を、「強」から「中」にした場合、年間で電気代は約1,910円節約できる。
エディオン松山本店 家電アドバイザー・脇野晋一さん:
冷蔵室にいろいろと物を入れると思うんですけど、風が通るように隙間をあけて置く。これが大事ですね。隙間なくぎゅうぎゅうに詰めると、風が通りにくくなるので、それだけ効果が落ちます
詰め込んだ場合と半分にした場合を比べてみると、年間で約1,360円節約できる。
エディオン松山本店 家電アドバイザー・脇野晋一さん:
つけっぱなしにしないように、こまめに消していく。ちょっとでも電気代を減らしていけます

また、取り換える場合は、省エネ性能の高いLEDタイプがおすすめ。白熱電球からLEDランプに交換した場合、年間で約2,790円の節約になる。
脇野さんによると、近年では商品を選ぶ際に「節電」や「省エネ」の機能を重要視する人も多いという。
エディオン松山本店 家電アドバイザー・脇野晋一さん:
上位機種で省エネ機能がしっかり入っている商品は、昔のモデルに比べると何割か大きく、電気代を抑えてくれる商品が多いです。本体の値段は一番気になる所ですが、ずっと使っていくうえでランニングコストを見られる方も多いです

今回紹介した節電のポイントを抑えるだけでも、年間で約8,700円の節約になる。ただ、節電のしすぎは逆効果になりかねない。寒い中、暖房を我慢すると体調を崩してしまうこともある。
今回、アドバイスを頂いた家電アドバイザーの脇野さんも、「快適に過ごせるような適度な節電」を呼びかけている。
(テレビ愛媛)