日常生活に欠かせないタオル。元は真っ白でふわふわだったが、時間が経つにつれ、色は何となくくすみ手触りもごわごわに。このくたびれたタオルが洗うだけで新品のような手触りによみがえったら…。タオルと洗濯、そこにあるSDGsな取り組みとは。

環境に優しいモノづくり 長く使えるタオル

「今治タオル」で知られる国内有数のタオル産地・愛媛県今治市。
ここでタオルの製造と販売を手がける「イケウチオーガニック」。

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生み出すタオルは、綿花から有機農法で育てたオーガニックなタオル。

イケウチオーガニック・池内計司代表:
僕らのモノづくりっていうのは、SDGsでいうと12番目の作る責任・使う責任のところに特化していて、作る側としては環境で考えると、まずは長く使えるものが一番環境に優しいっていうのを社内で決めている

消費するタオルではなく、長く使い続けられるタオルを。

そんな思いから、これまで店頭では適切なケア方法を発信してきた。
そして、2022年、自社の製品について始めたのがタオルのメンテナンスサービスだ。
プロの技でくたびれたタオルの見た目にもふんわりに。繊維が立ち上がったことで、タオルのかさも増しているのが分かる。

メンテナンスで違いが一目瞭然に
メンテナンスで違いが一目瞭然に

メンテナンスサービスは、段ボール1箱またはランドリーバッグ1袋分で約4kg以内、自社製品のみ取り扱いで、オンラインショップで受け付けをしている。

送られてきたタオルは状態を確認し、2時間半かけて85℃の高温で洗い上げ、新品に近い状態にまで仕上げる。

そんなタオルを知り尽くしたプロが手がける洗濯術は、家電メーカーからも注目され、洗濯機にもタオル専用コースとして取り入れられた。

日々使うタオル。
洗濯をしているのに、時とともにくすんでくる色やごわごわする手触り。
その理由はいったい何か。

洗剤などが蓄積…タオルのダメージに

イケウチオーガニック・池内計司代表:
基本的には使ってる汚れが完全に洗い落ちてないっていうケースがある。あるいは使ってる洗剤が残ったままのケースがある。最近は匂いを付けるケースも多いので、匂いが十分すすげなくて沈着したまま、あるいはそういう汚れが場合によってはカビにまで進んでるケースがある。いろんなことが複合して起こっている感じがします

節水型の洗濯コースでは、洗剤などが落ち切れていないケースもある。
池内さんによると、こうして洗い残した洗剤や香り成分などがタオルの繊維に蓄積してしまうという。
そこで、家庭でもできるタオル洗濯のコツをプロが伝授。

イケウチオーガニック・池内計司代表:
水量を調整できる洗濯機だったら水は多めに入れる、あるいは洗濯物を少なめにする。すすぎは1回多くするくらいでやる

そして脱水が終わったら、もうひと手間を加える。

イケウチオーガニック・池内計司代表:
パイルが立つようにパタパタと振る。それから乾燥させる。天日干しの場合だと乾きすぎないように

脱水した後、タオルを振りほどいてパイルを立ち上がらせてから、干したり乾燥機にかけたりする。

イケウチオーガニック・池内計司代表:
基本的に綿っていうのは水分を約7%持っている。乾燥しすぎると、水分が0%になっちゃうので、そうするとパサパサしちゃう。最後にちょっと暗い所、ちょっとひやっとする所で日陰干しみたいにしてやると、空気中の水分を吸ってくれる。特に今、洗濯機というのは節水の競争になっているので、確かに節水っていうのは地球環境にいいと思いますが、節水がいきすぎると洗濯物が固くなるとか、副作用もあるので、そのバランスをどこでとるかなと思うんですよ

企業はその技術で長く使い続けられるタオルを作り、消費者も適切なお手入れで大切に使い続けていく。それは、サステナブルで心地いいタオルとの暮らしにつながる。

(テレビ愛媛)

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