天皇陛下 初めての誕生日一般参賀へ
天皇陛下は2月23日、63歳の誕生日を迎えられました。
皇居で行われた、陛下の即位後、初めてとなる天皇誕生日の一般参賀。午前10時過ぎ、長和殿のベランダに両陛下が立たれました。長女の愛子さま、秋篠宮ご夫妻と次女の佳子さまもお揃いになり、陛下がおことばを述べられました。

《天皇陛下おことば》
誕生日に、初めてこのように皆さんからお祝いいただくことを、誠にうれしく思います。
この冬も、多くの地域で大雪や厳しい寒さに見舞われました。被害に遭われた方々に、心からのお見舞いをお伝えいたします。寒さの中にも、日ごとに春に向かっているのを感じます。皆さん一人一人にとって、穏やかな春となるよう願っています。皆さんの健康と幸せを祈ります。

誕生日の一般参賀に初めて臨み、心から喜ばれたご様子の陛下。一般参賀の最後には、陛下を中心にご家族で集まり、訪れた人たちに手を振り応えていらっしゃいました。
午前中に3回行われた一般参賀には、抽選で選ばれた約4000人が、午後には宮内庁庁舎前に設けられた記帳所に4700人あまりが訪れ陛下の誕生日を祝いました。
祝賀行事は去年より参加者数増
宮殿では感染対策のもと去年より参加者数を増やして祝賀行事が行われ、、総理大臣をはじめ三権の長などからお祝いを受けられた陛下。午後には140カ国の大使らが集まり、代表してサンマリノの大使が祝意を伝え、陛下は感謝の言葉を述べたあと、皇后さまと共に大使に歩み寄り握手をして言葉を交わされました。

両陛下 上皇ご夫妻に誕生日のご挨拶
この後、上皇ご夫妻に挨拶をするため、皇居から赤坂御用地に向かわれた両陛下。沿道からの祝福の声に、笑顔で手を振って応えていらっしゃいました。仙洞御所では上皇ご夫妻から温かいお祝いのおことばを頂き、30分あまり和やかにお話しされたということです。

陛下 会見でこの1年を振り返られ
誕生日に先立ち、陛下は、皇居・宮殿で記者会見に臨まれました。
まず、この一年を振り返り、3年ぶりに地方への訪問が再開したことを喜ばれました。
《天皇陛下おことば》
コロナ禍にあっては、国民の皆さんと直接触れ合うことが難しくなったことを私も雅子も残念に思っていましたので、この1年、都内においても様々な行事が再開され、また、地方への訪問も行うことができ、皆さんと直(じか)に会ってお話ができるようになったことは、私たちにとっても、とても嬉しいことでした。

両陛下の地方訪問は、2022年10月、栃木県の国民体育大会から再開されました。
《天皇陛下おことば》
現地では、沿道を含め、たくさんの方々に温かく迎えていただいたことを、雅子と共に大変嬉しく思っております。
10月に栃木県で行われた国民体育大会の開会式に出席した際には、全国各地から参加した選手や関係者が3年ぶりに大会に参加できる喜びを分かち合っている様子を嬉しく思いましたし、また、炬火(きょか)リレーの走者が炬火(きょか)を持って入ってくる様子に、コロナ禍の中でも国体が無事に開かれたことを実感いたしました。

11月、両陛下は兵庫県で行われた「全国豊かな海づくり大会」に1泊2日でお出かけになりました。
《天皇陛下おことば》
今回、豊かな海づくり大会での魚の放流行事を初めて経験しましたが、漁業に携わる皆さんが、美しく彩られた大漁旗を掲げた船に乗り、誇らしげに手を振っている姿や、式典と放流行事を通じて、地方の高校生やオーケストラの演奏をした全国の子どもたちの活躍が印象的でした。

2022年、本土復帰50周年を迎えた沖縄。10月には25年ぶりにお2人そろって訪問し、糸満市の国立沖縄戦没者墓苑で戦争の犠牲者を慰霊されました。
《天皇陛下おことば》
沖縄県では、沖縄戦における御遺族の方々のお話を直接伺い、お一人お一人の御苦労や悲しみに思いを致しました。激しい地上戦となった沖縄戦の悲惨さや、沖縄の人々がたどった苦難の歴史に思いを巡らせ、犠牲となられた方々の御冥福をお祈りし、それとともに、現在、私たちが享受している平和の有り難さを思い、改めて平和の大切さを深く心に刻みました。


2022年9月、イギリスのエリザベス女王の国葬に皇后さまとともに参列された陛下。
女王を偲び、改めて感謝の気持ちを示されました。
《天皇陛下おことば》
女王陛下が長年の間に残された数多くの功績と貢献に思いを馳(は)せるとともに、我が国との関係においても、女王陛下が両国の関係を常に温かく見守ってくださったことに心からの敬意と感謝の気持ちを新たにしつつ、深い哀悼の気持ちを持って女王陛下に最後のお別れをいたしました。
女王陛下には、私の英国留学や英国訪問に際しても、様々な機会に温かく接していただき、幾多の御配慮を頂いたことに重ねて深く感謝しております。


また陛下は、世界各地で戦争や紛争により多くの人が亡くなり、傷つき、住む家を失い、恐怖や悲しみの中にいるとして、こう述べられました。
《天皇陛下おことば》
いずれの国も自国のことのみを考えるのではなく、ほかの国々とも互いの違いを乗り越えるべく対話を重ね、協力しながら問題を解決していくことの大切さを強く感じます。
両陛下 盆栽を囲み仲睦まじく
誕生日にあたり公開された映像で、仲睦まじく歓談される両陛下。ご覧になっていたのは皇居で育てられている樹齢およそ30年の盆栽。中学時代から盆栽がお好きで知識も豊富な陛下が、皇后さまに熱心に説明されたということです。

(「皇室ご一家」2月26日放送)