3月3日の「ひな祭り」に合わせて、大名家に伝わるひな人形などを見ることができる企画展が高知市で開かれている。この企画展では、十二単に身を包んだ美しいひな人形や、豪華なひな道具などが楽しめる。

気品あふれる「山内家のひな人形」

高知城歴史博物館の企画展「山内家のおひなさま」では、土佐藩主・山内家に伝わるひな人形やひな道具、嫁入り道具など、大名家の気品あふれる品々を楽しむことができる。

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“有職雛(ゆうそくびな)”と呼ばれるひな人形は、明治34年に17代・山内豊景に嫁いだ伏見宮の第一王女・禎子が持参したもので、公家の装束を忠実に再現している。

男雛の姿は、“束帯装束”と呼ばれる最も格式の高い正装で、位の高い人物にしか許されない色と文様が使われている。

女雛も正装の“女房装束”で、繊細に重なった十二単が美しく、宮家出身の女性が持つのにふさわしい品格を備えている。

こうした豪華な人形やひな道具を飾る風習が生まれたのは江戸時代で、親は嫁入り道具とともにそのひな形、つまりミニチュアであるひな道具を用意して嫁ぎ先に持参させた。

山内家に伝わるひな道具は、鏡台などの化粧道具や食器に至るまで、黒漆に金の蒔絵(まきえ)が施され、豪華で気品にあふれている。

さらに、繁栄や吉祥を表す若松や唐草文様などが描かれている。

高知城歴史博物館・丸塚花奈子学芸員:
まずは美しさ、華やかさを楽しんでいただきたい。江戸時代ですので、結婚といっても家と家の結びつきが重視された。その中で、嫁ぎ先で娘が幸せに暮らせるようにとの思いが込められているのでは

江戸時代のお姫様たちが持参した実際の嫁入り道具も見ることができる企画展「山内家のおひなさま」は、3月6日まで高知城歴史博物館で開かれている。

(高知さんさんテレビ)

高知さんさんテレビ
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