2月14日はバレンタインデー。長崎市民のチョコレートの購入額は全国のランキングで下から数えて4番目。なぜ長崎市民はチョコレートをあまり買わないのか、そこにはチョコっと意外な理由があった。

チョコをあまり買わない理由とは…

長崎市のアミュプラザ長崎では、バレンタイン商戦に合わせ全国から人気の菓子店が集まった。

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テレビ長崎・山口史泰アナウンサー:
チョコレート専門店もあります。どのケースにもバレンタイン向けのお菓子がぎっしりと並べられています。どれも本当においしそう

訪れた人:
お店の中がバレンタイン一色。欲しいなと思って買った

一方、長崎市民はチョコをあまり買わないとのデータもある。県庁所在地など全国52の自治体の市民を対象にしたチョコレートの平均購入金額の調査によると、長崎市は1年間に5,760円と全国49位だった。

この理由を江戸時代の貿易にくわしい長崎大学の教授は、次のように指摘する。

長崎大学 多文化社会学部・木村直樹教授:
(金額が少ないことが)意外には思わなかった。カステラ、ボーロ、佐賀県にある小城羊羹といった様々な甘いものが普段からある世界。そこに(チョコレートが)入ったということ。いままでになかった甘いものが入ってきたら、みんなすごいと思うが、長崎やその周辺の人にとってみれば(甘いものが)1つ増えたという程度だった

牛乳や砂糖入りの「甘い」チョコレートは、幕末から明治にかけ開発された。さらに、大正時代の1918年、森永製菓が大量生産が可能な工場を完成させチョコレートは全国に広まった。

しかし、長崎にはカステラなど砂糖を使った食文化が根付いていて、チョコレートに触手が伸びなかったのでは、と木村教授は推測している。

チョコと長崎の“甘い関係”

一方、チョコレートと長崎は“甘い”蜜月関係にある。オランダ貿易により日本に初めて伝来したのは、江戸時代中期の長崎・出島。1797年に長崎市寄合町の町長にあたる人物が書いた業務日誌には「しよくらあと 六つ」が、オランダ人から遊女に渡されたと記録されている。

長崎大学 多文化社会学部・木村直樹教授:
出島から丸山の遊女にプレゼントとして渡された記録がある。もらって全部自分で使っているとは思えない。転売をしている

チョコに生卵!? 当時の味を再現!

江戸時代のチョコレートは今とは違い、希少品。さらに長崎聞見録には「薬」だったと記されている。江戸時代、削ったカカオをお湯に入れて溶かし生卵を入れて飲んでいたという。しかも使う砂糖はごくわずか。当時の味を再現してみた。

テレビ長崎・山口史泰アナウンサー:
ココアのような見た目と香りがします。いただきます。うわっ!渋い!!ものすごく苦い。ココアと比べると卵が入っているので舌触りもあまり良くないです

試食する山口史泰アナウンサー
試食する山口史泰アナウンサー

長崎大学 多文化社会学部・木村直樹教授:
(当時は)卵、場合によっては唐辛子を入れていた。おいしいものではない。原材料は入ってきているが楽しむものではなかった。

長崎とチョコレートは密な関係にありながら“甘くない関係”だった。

(テレビ長崎)

テレビ長崎
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