大麻が含まれたクッキーを受け渡ししたとして、兵庫県芦屋市の占い師の女らが15日、大麻取締法違反の疑いで逮捕された。「吸う」だけではない大麻。身近に迫る“大麻食品”の危険性を取材した。

身近に迫る"大麻食品" 通販サイトも…

断面にナッツのようなものが見えるお菓子。これが警察に押収された「大麻クッキー」だ。

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大麻取締法違反の疑いで逮捕された、兵庫県芦屋市の占い師川村麻理子容疑者(68)。川村容疑者が2022年12月に主催した集会に40代の女性が参加しクッキーを食べたところ、体調で病院に搬送されたため、事件が発覚した。

周辺の住民は:
麻薬と副作用の強い何かを人に配っているという話を聞いたことがある

関西テレビの取材に対し「部屋の周辺から苦いような、煙のような匂いがしていて、やばいと思った」などと話す人もいて、警察は大麻の入手ルートなどを調べている。

大麻を使った食品が摘発される例はこれが初めてではない。クッキーだけでなく、ブラウニーやスナック、大麻を混ぜ込んだバターなど、色んなものが摘発されている。

こうした“大麻食品”を手に入れるのは、実は、難しいことではなく…。

記者リポート:
カナダのサイトを見てみるとチョコやグミなどいろいろあります

カナダでは2018年に原則18歳以上の大人を対象に大麻が合法化され、関連する商品も市場に出回るようになった。

そのため、日本にいてもインターネットで簡単にアクセスできてしまう。もちろん、禁止成分が入った“大麻食品”を輸入しようとすると税関に押収されるが…。

知らずに食べて救急搬送される事例も…

「大量のお菓子の中に紛れ込んでしまうので、摘発は簡単ではない。すり抜けている恐れは十分にある」と違法薬物に詳しい専門家は“食品”だからこその危険性もあると指摘する。

違法薬物に詳しい湘南医療大学薬学部 舩田正彦教授:
クッキーやチョコレートに大麻自体や成分を混ぜた物だと作用の発現が緩やかになってくる。すなわちあまり効果を感じないので大量に摂取してしまう。作用があとから出てきて、意識障害や健康被害を引き起こすケースが危惧される

違法薬物に詳しい湘南医療大学薬学部 舩田正彦教授:
海外で友人からお土産でもらったクッキーが実はそういったものが混ざっていて知らずに食べて救急搬送された例も近年我が国で発生している。

大麻を示す「カンナビス」や「エディブルス」などと書かれた商品は注意が必要。「お菓子だから大丈夫」という安易な考えは危険だ。

(関西テレビ「報道ランナー」2月16日放送)

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