聴覚障害のある女の子が重機にはねられ死亡した事故で、運転手らを訴えている両親が、公正な判決を求める“署名”を裁判所に提出した。

15日朝、大阪地方裁判所を訪れた井出努さん。突然の事故で、11歳の娘を失った。

この記事の画像(7枚)

人前で堂々と話せるまでに

生まれつき聴覚に障害があった井出安優香さん。2018年、大阪市生野区の歩道で、てんかんの持病を持つ男が運転する重機にはねられて亡くなった。

安優香さんは生まれた当初、医師から「言葉を話すことは難しい」と言われたが、聴覚支援学校に通い、努力して人前でも堂々と話せるようになった。

運動会で話す安優香さん:
紅組白組の思いのこもった迫力ある応援をご覧ください

努さんと妻のさつみさんが、運転手の男や会社に対し損害賠償を求めている裁判で争点となっているのは、安優香さんが事故に合わなけば得るはずだった将来の収入「逸失利益」だ。

将来得るはずだった収入が争点に

 運転手側は、「“聴覚障害者の平均賃金”を基に計算するべき」として、全労働者の平均賃金の約6割の額を主張。

 一方、両親は、「障害を理由に将来を否定すべきではない」などとして、「“全労働者の平均賃金”を基にすべき」だと訴え、すでに結審している。

両親は15日、公正な判決を求める約1万筆の署名を大阪地裁に提出しました。提出した署名は、これまでで約12万筆にのぼっている。

安優香さんの父 井出努さん:
人として、これはおかしいだろうと思う方、これだけの人数の署名が集まりました。お金のうんぬんじゃなくて、これまで11年間、娘が頑張ってきた。大切な娘の命を奪われて、差別的なことを言われて、黙っておれる親っていますか

 判決は、2月27日に言い渡される。

(関西テレビ「報道ランナー」2023年2月15日放送)

関西テレビ
関西テレビ

滋賀・京都・大阪・兵庫・奈良・和歌山・徳島の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。