2023年春に行われる石川県議会議員選挙、今回、取り上げるのは羽咋市と宝達志水町にまたがる羽咋市羽咋郡南部選挙区だ。人口減少などを理由に今回、定数が2から1へと減り、現職同士の激しい一騎打ちが予想される選挙区。両陣営の動きを取材した。

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現職同士の一騎打ちの公算大「羽咋市羽咋郡南部選挙区」

稲村建男県議(自民党):
国と県と地域をしっかりと結び、あらゆる問題に対処していく。それが私に与えられた最後の使命である。

自民党現職の稲村建男県議(79)。自民党県連で最高顧問を務める10期40年のベテランだ。

本吉淨与県議(無所属):
政治を動かす根底にあるのは道徳であるとか良識、今回の大きな戦はこの地域の良識が問われているそういう戦いであると思います。

無所属で現職の本吉淨与県議(43)。県議会第2会派「未来石川」に所属し非自民勢力の一員として4期目を目指す。

稲村県議:
粛々と打ち勝つということです。
本吉県議:
粛々と支持を訴えるだけだと思っています。

定数が1に減り、現職同士の一騎打ち。前哨戦からボルテージが高まっている。

「稲村派」と「本吉派」の権力争い再び

羽咋市と宝達志水町が選挙区の羽咋市羽咋郡南部選挙区。

この地域では半世紀以上にわたり「稲村派」と「本吉派」2つの派閥による権力争いが続いてきた。

今から51年前の羽咋市長選挙。稲村佐近四郎衆議院議員の長男として稲村氏は当時29歳で出馬。

本吉二六氏との新人同士の争いは市を二分する戦いとなった。

結果、本吉二六氏が勝利したが、以来、羽咋市長の座は稲村派と本吉派による代理戦争が続いている。

県議のイスを争う戦いでも稲村県議は過去3度にわたって本吉県議の祖父・本吉与三吉氏と
議席を争った。

2011年に本吉県議が初当選して以降は大きな争いはなく、現職2人が議席を守ってきた。

しかし去年…

議員定数検討懇談会 福村章会長:
一票の公平・公正これも大変大事な民主主義の原理ですから苦渋の決断をさせていただいた。

議員1人あたりの人口が最も少ない羽咋市羽咋郡南部選挙区の定数が、今回の選挙から1議席減ることに…。これによって現職同士による激戦が決定的となった。

定数減で石川県内で最も激戦の選挙区に…

2023年1月に開かれた稲村県議の新年互礼会。

馳浩県知事:
きょうはよろしくお願いします。

会場には馳知事も駆けつけた。

馳知事:
「初春や 稲村建男の 大決戦」。ほぼ毎週のように知事室においてご指導をいただいております。あんまり谷本知事の時に週に1回も行ってなかったんじゃない?

2022年の知事選では、能登地区の県議として唯一、馳知事の支援に回った稲村県議。900人の出席者を前に知事や国会議員とのパイプをアピールした。

馳知事:
あそこにポスターあるじゃないですか。見える?稲村先生と西田・岡田・宮本っていう2連ポスターあっておれのポスターだけ申し訳程度に(笑)

稲村県議:
知事の写真もらって早速作りますんで。みなさん貼るところよろしくお願いします。

翌週、同じく互礼会を開いたのは本吉県議。

立憲民主党の近藤和也衆院議員や山辺芳宣前羽咋市長など300人が集まった。

近藤和也衆院議員:
淨与くんの当選なくして近藤和也の再選もないとそれぐらいの強い覚悟で戦ってまいります。本吉淨与くんを当選させていくことでみんなで力を合わせていく政治に直していこうではありませんか。

3年前の羽咋市長選で12年ぶりに稲村派にその座を明け渡した本吉派。今回の県議選では絶対に負けられないと危機感はより一層強まっている。

山辺芳宣前羽咋市長:
2人から1になったわけですから、これは勝ち負けしかありませんので。向こうは殿様型の選挙ですわ。こちらは足軽型のやっぱり足で稼ぐ選挙戦、これに尽きると思います。

殿様型の選挙戦と呼ばれた稲村県議。事務所開きには羽咋市の農業、経済界、建設業、福祉業界の代表や、稲村県議が支援した岸博一羽咋市長が応援に駆け付けた。

岸博一羽咋市長:
街づくりをするためには市町の財政だけでは回らないので、県とのつながり国とのつながりが必要だと私は思っています。

稲村県議:
40年の歩みの中で今、国と県と地域地元がこんなに一直線でつながったことが、今回初めてなもんでね。地元にお返しができる、そういうことをぜひともしたい、しなきゃならないという使命感で今回やりますと申し上げた。

一方の本吉県議。2022年の夏から街頭での活動にも力を入れている。この日も雪が降り積もるなか沿道に手を降って支持拡大を訴えった。

町民:
頑張ってね。体気を付けて。
本吉県議:
ありがとうございます、またよろしく。

本吉県議:
地域にはまだまだ困っている声であるとか、住民の思いであるとか、本当に散らばっているなと思いましたので、今回は実行力を持って形にしていくと。大変厳しい戦いであるのは誰の目にも見ても間違いないので本当に緊張感持ってやってます。

半世紀にわたる因縁をかけた現職同士の一騎打ち。地域を二分する選挙戦は激戦必至。石川県議会議員選挙は2023年3月31日告示、4月9日が投票日だ。

(石川テレビ)

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