新たな試算が示した“地殻変動”
北陸新幹線の敦賀-新大阪間の延伸ルートを巡り、国土交通省の新たな費用対効果試算がこれまでの議論を根底から揺さぶっている。 2016年に「小浜・京都ルート」が決定して以降、建設費は物価高騰で大幅に増加。与党整備委員会は8つのルート案を再検証している。

「一体評価」は小浜、「未着工区間」は米原という“真逆の結果”
今回の試算では、
■東京~新大阪の全線を対象にした「一体評価」
■敦賀~新大阪の「未着工区間のみの評価」
の2種類が示された。
その結果
■「一体評価」では「小浜・京都ルート」が最も高い費用対効果(1.1)
■「未着工区間のみ」では「米原ルート」が最も高い数値
さらに米原ルートは建設費が最も安く、工期も最短の約18年とされている。


理想の小浜か、着工可能性の米原か
小浜ルートは京都府内での反対運動やアセスメント遅れにより、着工のめどが立っていない。
米原ルートへの方針転換を強く求める石川県議会の福村章県議(自民党)の言葉は、
その危機感を端的に表している。
「費用対効果がどうあろうと、あるいは何兆円かかろうと、京都の了解を得られないと新幹線は進まない。もう少し現実(リアル)に即した論議をされるべきだ」

一方、山野知事は「報道以上の情報は知り得ていない」としつつも、これまでの国会内での動きを見守り、ルート確定を待ちたいとする慎重な姿勢を崩していない。

迫る決断のタイムリミット
試算結果は6月19日の与党整備委員会で正式提示される予定。 ルート絞り込みの期限は通常国会会期末の来月7月17日で、残された時間は少ない。
「東京直結の経済効果」を取るか、 「早期開業とコスト削減」を取るか。 北陸、そして日本のインフラの未来を左右する決断が迫っている。
