大学入学や社会人になって、ひとり暮らしを始める人もいるだろう。 

食事やお金の管理などさまざまなことに気を配らなければいけないが、一段と気をつけてほしいのが「防犯」だ。 

2度のひとり暮らしを経験し、数々の失敗を重ねてきた華井由利奈さんは「ひとり暮らしは“できて当たり前”ではない」と言う。 

「これからひとり暮らしをする人に、同じような失敗や後悔をしてほしくない」との思いで、著書『一生役に立つしんどくならない「ひとり暮らし」ハンドブック』(光文社)を上梓。 

ひとり暮らしの先輩や専門家のアドバイスを詰めた著書から「防犯」について、一部抜粋・再編集して紹介する。 

防犯対策をして自分を守ろう 

空き巣、ストーカー、泥棒、忍び込み、強盗…。 

ひとり暮らしをしている人の周りには想像以上に多くの危険が潜んでいます。 

短時間でもカギを閉めること(画像:イメージ)
短時間でもカギを閉めること(画像:イメージ)
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「犯罪者は、誰を狙うかわからない」「自分がいつ狙われてもおかしくない」と、警戒心を持つことが大切です。カギをかならず閉めるなど、毎日のちょっとした心がけで自分の命を守ることができます。 

短時間で終わるごみ捨てやコンビニへ行く間、玄関や窓のカギを開けたままにしていませんか?また、お風呂に入っている間や寝ている間、窓のカギを開けたままにしていませんか?

男性でも「無施錠」は厳禁です。ひとり暮らしの先輩のなかには、「無施錠で寝たら、女の人が俺の寝顔を見つめていた…」という怖い体験をした男性もいました。

防犯対策に「やりすぎ」はありません。 何が起きるかわからないからこそ念には念を入れて対策をすることが重要です。 

水道やガスが急に止まったら… 

もし水道やガスが止まっても、真っ先に玄関脇などに設置されている元栓を確認しに行くことは避けましょう。

暴漢や強盗が元栓を閉めて、あなたが元栓を確認するために外に出てくるのを待っている可能性があります。 

急に水やガスが出なくなり、元栓を確認するために外に出たら暴漢や強盗に襲われた、という事件が起きています。 

水道やガスが止まったら、まずは家のなかで機器の故障がないか確認しましょう。 

外に出ないで確認できる5つのポイントを紹介します。 

『一生役に立つしんどくならない「ひとり暮らし」ハンドブック』(光文社)より(イラスト/OGA)
『一生役に立つしんどくならない「ひとり暮らし」ハンドブック』(光文社)より(イラスト/OGA)

(1)直前に大きな地震はなかったか 
(2)自分が住んでいる地区や建物内で断水の連絡はなかったか 

→地震・断水があった場合は復旧を待つ 
(3)水道代やガス代を滞納していないか 
→滞納していた場合は、督促状に書いてある納付先に連絡し、滞納金を全額納付して開栓を待つ 
(4)ガス機器を長時間・連続で使用したことにより安全装置が作動していないか 
→作動していた場合、説明書を読み安全装置を解除する 
(5)ガス機器に故障表示が出ていないか 
→故障が見つかった場合、ガス会社や水道会社に連絡する。集合住宅の場合は管理会社に報告し、修理業者を紹介してもらう 

これらを確認して何も見つからなかった場合は、元栓が閉められている可能性があります。 

ストーカーや嫌がらせなどの心当たりがある人は、警察に通報しましょう。 

また、故障が見つかり修理を依頼するときにも注意が必要です。 

賃貸物件の場合、管理会社が修繕業者に業務委託をしている可能性があります。管理会社と連絡が取れる時間帯であれば、早めに管理会社へ連絡しましょう。 

自費で出張修理サービスを頼むときは、作業内容や費用などを複数比較してから依頼するのがおすすめです。出張修理サービスはトラブルになりやすく、クーリング・オフができないケースもあります。 

まずは落ち着いて「業者名 トラブル」などでかならず検索し、高額請求をされないよう慎重に選びましょう。 

家庭のごみは個人情報のかたまり 

ひとり暮らしでも毎日ごみは出ます。 

家庭で出すごみにはプライベートな情報が含まれているものもあります。モノを捨てる際には注意が必要です。 

【注意したいこと】 
(1)ごみ袋の外から、名前や電話番号が見えていないか 
(2)ごみ袋の外から、下着やプライベートなごみが見えていないか 
(3)宅配物の伝票をはがしたか 

『一生役に立つしんどくならない「ひとり暮らし」ハンドブック』(光文社)より(イラスト/OGA)
『一生役に立つしんどくならない「ひとり暮らし」ハンドブック』(光文社)より(イラスト/OGA)

名前や連絡先が記載されているものをそのままごみとして出すと、悪用されるおそれがあります。 

郵便物や公共料金の利用明細は、シュレッダーにかけたり、やぶったり、黒く塗りつぶしたり、最低でもごみ袋の外から見えないようにしてから捨てましょう。 

個人情報を隠すスタンプなどの便利グッズを活用するのもおすすめです。 

資源ごみとして段ボールを捨てるときは、宅配便の伝票をかならずはがしてください。 

伝票には、自分の住所や名前のほか、家族や友人など、送り主の個人情報も記載されています。 

また、レシートを捨てる際にも注意が必要です。レシートをもとに、よく行く店や生活パターンを把握される可能性があります。 

やぶってごみ袋の外側から見えないようにしてから捨てましょう。個人情報のほかにも、衣類や下着などをごみに出すときは、細心の注意が必要です。 

悪用を防ぐため、切って捨てる、生ごみと混ぜて捨てるなど、ひと工夫しておくと安心です。 

『一生役に立つしんどくならない「ひとり暮らし」ハンドブック』(光文社)
『一生役に立つしんどくならない「ひとり暮らし」ハンドブック』(光文社)

華井由利奈 
ライター。大学卒業後、印刷会社に就職。コピーライターとしてトヨタ系企業など100社以上の取材を行う。2016年に独立。現在は、女性活躍、ビジネス、教育、生活情報など幅広い分野で執筆。大学や教員講座での講演も行う。著書に『一生困らない 女子のための「手に職」図鑑』(光文社)

華井由利奈
華井由利奈

ライター。大学卒業後、印刷会社に就職。コピーライターとしてトヨタ系企業など100社以上の取材を行う。2016年に独立。現在は、女性活躍、ビジネス、教育、生活情報など幅広い分野で執筆。大学や教員講座での講演も行う。著書に『一生困らない 女子のための「手に職」図鑑』(光文社)