7日夕方、渋谷警察署に移送された連続強盗事件の指示役とみられる藤田聖也容疑者(38)と今村磨人容疑者(38)。日本へと向かう機内では、これまで謎に包まれていた素顔の一端をのぞかせた。

移送に同行したフジテレビ社会部の林英美記者が、2人の機内での詳しい様子について報告する。

一般客と同じ飛行機で移送、機内食も

――2人の容疑者が飛行機に乗る直前の空港の様子は?

私は、7日朝、マニラ空港に現地時間午前4時(日本時間午前5時)に到着したんですが、その時点で多くのマスコミが集まっていました。日本の報道陣だけではなく、現地の報道陣も多く集まっていました。普段と空港が違う様子ですので、現地の人も少し驚いた様子でした。

また、この日の朝に、レムリヤ法相が報道陣の取材に応じていたので、そういったこともあって警備が一層厳しく、空港は厳戒態勢という形でした。

機内の様子(イメージ)
機内の様子(イメージ)
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――今回、飛行機には一般の方々も一緒に乗られていたのですか?

はい、そういうことです。今回、容疑者らが座っていたのは、飛行機の一番後ろの中央の3人乗りの席なんですが、一番後ろの中央に今村容疑者。その前の席に藤田容疑者が座っていました。そして、その周りを10人の捜査員が囲むような形で座っていました。この周りは他の乗客から見えないように緑色のシートで囲まれていました。

――時折、そのシートも外されたということですが、その時のこの容疑者2人の様子というのはどうだったんですか。

離着陸の際は安全確保のためにシート取り外されるんですが、離陸直後、この両容疑者を見たところ、両容疑者とも頭を前に下げて熟睡している様子でした。

その後、午後0時21分に藤田容疑者が、そして午後0時22分に今村容疑者が逮捕されました。

――機内で逮捕されたわけですね。

はい、そうです。逮捕された瞬間は、シートで囲まれていたのでその様子を見ることはできなかったんですが、特に大声をあげたり、抵抗するような声は聞こえませんでした。

逮捕の後には、容疑者らに食事が提供されたんですが、この機内食は私たち一般の乗客と同じものでした。豚のフィリピン風角煮などのフィリピン料理が提供されました。

ただ、一般の乗客にはみそ汁も提供されたのですが、容疑者らにはお茶も含め、熱いものは安全上の理由から提供されませんでした。さらに、容疑者らは金属のフォークなどではなく、プラスチックのフォークなどに変更されていて、つまようじも付いていませんでした。

――「安全上の理由」というのは、危害を加えるおそれがある、ということでしょうか。

そうです。容疑者の隣に座っている捜査員や、前に座っていた捜査員にも、全く同じように変更された機内食が提供されました。

記者と目が合い、そらさなかった今村容疑者

その後、着陸の前に再びシートが外され、この時に今村容疑者と目が合ったんですが、目をずっとそらさずに、こちらを見てきたのが印象的でした。かなり堂々としていて、乗客の視線を楽しんでいるようにも見えました。

また、捜査員から水をもらって飲んでいたり、今村容疑者はかなりリラックスしているようにも見えました。

(「イット!」2月7日放送より)