2013年のプロ野球ドラフト会議で中日ドラゴンズから1巡目で指名された浜松市出身の鈴木翔太さん。2021年に現役生活を終え、情熱が向かう先は「ゴルフ」だった。いまゴルフでプロを目指し練習に励んでいる。

セカンドキャリアへ“勝負の年”

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300ヤードを超える力強いドライバーショットと柔らかなボールタッチ。

身長183cmと恵まれた体格に未知なる可能性を秘めるのが、浜松市出身の鈴木翔太さん(27)。

鈴木さん「2023年は勝負の年」
鈴木さん「2023年は勝負の年」

鈴木 翔太 さん:
ゴルフをやると決めてから1年経ちますが、2023年は勝負する年だと思っているので結果につながるよう課題を克服していきたい

利き手の指に残る「手術跡」

中日からドラ1指名(2013年)

鈴木さんは聖隷クリストファー高校時代、甲子園への出場はなかったが美しい投球フォームが評価され、ドラフト会議で中日ドラゴンズが1位指名し、一躍脚光を浴びた。

プロ4年目の2017年、地元・浜松で初めて勝利を挙げ故郷に錦を飾るなど、この年 自己最多のシーズン5勝をマーク。

ここから快進撃が始まると周囲の期待も高まっていた。

利き手に残る手術跡
利き手に残る手術跡

「指の横は4カ所切っています」鈴木さんの利き手の指に残る「血行障害」の手術跡。投手にとって指先の感覚はまさに生命線だ。2018年に鈴木さんは、メスを入れて戦い続けることを選んだ。

鈴木さん「手術で感覚が変わった」
鈴木さん「手術で感覚が変わった」

鈴木 翔太さん:
40針縫いました。正直、これがなければもうちょっとやれたと思いますけどね。5勝した翌年の春に血行障害が出て、手術をして感覚が変わってしまいました。でも悔いはないですね

失った感覚を取り戻すは難しく、手術から3年後の2021年、 ユニフォームを脱ぎ8年間のプロ生活に終止符を打った。

第2の人生にゴルフ

一度は閉ざされたプロアスリートとしての道のりだったが、引退後 鈴木さんが選んだ第2の人生がゴルフだった。

鈴木 翔太さん:
いろいろ考えたうえで身近にあったスポーツが“ゴルフ”だったし、体も元気でまだ出来ることがあるならチャレンジしようと思いゴルフを始めました

ゴルフ場で勤務
ゴルフ場で勤務

ゴルフでプロを目指す。プロの厳しさを知っているからこそ新たな目標へ、積極的に行動する。2022年4月から静岡県森町のゴルフ場に勤務し、早朝から整備や清掃など日々、コースと向き合っている。

鈴木 翔太 さん:
コースや芝のことを勉強させてもらうために、今の仕事をさせてもらっています。グリーンにいるときは傾斜などを勝手に感じられるくらいになるよう意識してやっています

ゴルフでも自分の武器を

仕事後は練習
仕事後は練習

仕事が終わると午後から練習開始。10代からプロを目指すゴルフ界で、鈴木さんはすでに27歳。経験の差を埋めるためにも、時間を無駄にはできない。

野球と同じきれいなスイングフォームで飛距離や技術も向上し、ベストスコア71と着実に成長を続けている。

課題は最後の詰め
課題は最後の詰め

一方で課題もある。メンタルスポーツといわれるゴルフ。大会になると最後の詰めの部分「アプローチやパター」など繊細なプレーで精彩を欠き、80台までスコアを落としてしまう。

鈴木 翔太 さん:
感覚を掴まないといけないと思っています。野球では自分の武器があったし、それがあったからこそプロになれました。ゴルフでも武器を見つけないといけない。簡単にいかないと思いますけど、上を目指しながらやっていきたいと思います

2023年を飛躍の年とするために。新たな挑戦は、まだ始まったばかりだ。

(テレビ静岡)

テレビ静岡
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