2022年12月に発覚した福岡県大木町のキノコ像盗難事件で、被害に遭った2体のうち1体が、片足を折られた哀れな姿で発見された。町民にも愛されていた人気者を何とか修復できないか、町は検討を始めている。

町の新たな“名所”が窃盗被害

独特の存在感を放つ後ろ姿と、哀愁を帯びた物憂げな表情。

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「黄昏きの子」と名づけられた像は、大木町が特産のキノコを生かした新たな名所にしようと5年前から設置を進めてきたものなのだが、2022年12月18日、町が設置した3体のキノコ像のうち、2体が盗まれているのが判明した。

キノコ像があった場所には支柱しか残されていない
キノコ像があった場所には支柱しか残されていない

毛利拓也記者(2022年12月20日):
ここですかね。もう何もありませんが、「プリけつ黄昏きの子」というモニュメントがあったようですね。もう1体の「迷彩柄黄昏きの子」があった場所も、支柱しか残っていません

被害に遭ったのは、黄金色に輝くかわいいお尻が特徴の「プリけつ黄昏きの子」と、神社の片隅でひっそりと釣りをしていた「迷彩柄黄昏きの子」という2体の像だ。SNSで「キモかわいい」と話題になり、町民にも愛されていた人気者だった。

キノコ像は金属ではなく樹脂製で、町が警察に被害届を出して行方を探していた。

片足が折れた状態で…「大変ショック」

毛利拓也記者(2023年1月5日):
行方不明になっていた「プリけつ黄昏きの子」は12月27日、クリークに浮いているところを発見されました

「プリけつ黄昏きの子」像が見つかったのは、設置場所にほど近いクリークだった。水面から顔の一部を出して浮いているのを通りかかった町民が発見し、急いで役場に知らせたという。

大木町産業振興課 高田翔太さん:
見つかったキノコ像です。私が現場に向かって回収しました

すぐに引き揚げられたキノコ像だが、塗装の一部が剝がれ、長く水に漬かっていたためか、全体に気泡ができている。

そして、無残にも片方の足は折られ、哀れな姿となっていた。

大木町産業振興課 高田翔太さん:
折れている足を軸として設置されていました。大切なモニュメントですので、壊されて大変ショックを受けています

折られた左足はまだ見つかっていないということだが、町は何とか元に戻そうと、足だけを修理することが可能なのか、それとも全体を作り直すべきなのか、検討を急いでいる。

大木町産業振興課 高田翔太さん:
まだ業者には相談していないので、足のみの修復を含めて相談したい。もともと像を設置した際に1体数十万円かかっているので、場合によっては同等の金額がかかってしまうのではないかと思っています

「迷彩柄黄昏きの子」も懸命な捜索続く

さらに、もう1体の「迷彩柄黄昏きの子」像は、依然として行方不明で、町は周辺のクリークなどを探している。

大木町産業振興課 高田翔太さん:
私も含め、職場で近くを通る町職員は、クリークに落ちていないか、浮いていないか確認しています。見かけた方がいたら、大木町役場に連絡いただいて、我々も早く見つかることを祈っているので、いち早く見つかってほしい

多くの人に愛されていたキノコの町のシンボルが、なぜ被害に遭ったのか? 行方不明のもう1体は一体どこへ消えたのか?
被害届を受理した警察は、防犯カメラを調べるなど窃盗事件として捜査を続けている。(2023年1月10日現在)

(テレビ西日本)

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