キノコが特産の福岡・大木町で、困った事件が発生した。SNSなどでじわじわ人気が広がり、町の新たなシンボルとして親しまれていたキノコの像、3体のうち2体がこつぜんと姿を消したのだ。記者が現場を取材した。
一体誰が?姿を消した“キノコ像”
橋の欄干にぽつんと座り、何とも言えない表情で哀愁を漂わせている像。大木町特産のキノコにちなんだ、その名も「黄昏きの子」だ。

毛利拓也記者:
この「黄昏きの子」と同じような銅像が、あとふたつ、この大木町にはあるということですが、そのふたつがいずれも盗まれてしまったということです
キノコの町のシンボルをいったい誰が何のために。

毛利拓也記者:
むき出しの鉄の支柱が残されています。ここに「プリけつ黄昏きの子」というモニュメントがあったようです

ひとつめは通称「プリけつ黄昏きの子」。独特なポーズで黄金色に輝くこの像は、その名の通り、何ともかわいいお尻が特徴で、登下校する子どもたちも触っていく人気者だった。

毛利拓也記者:
こちら「迷彩柄黄昏きの子」があった場所も支柱しか残ってないですね

さらにもう1体、通称「迷彩柄黄昏きの子」は、神社の境内でひっそり釣りを楽しむ姿が愛されていた。

姿を消した「プリけつ黄昏きの子」は、残っている「黄昏きの子」から約500メートルの距離。同じく消えた「迷彩柄黄昏きの子」は、その場所からさらに200メートル離れた所に大木町が4年前から順次設置していた。

キノコ像がなくなっていることに気付いた女性:
写真と照らし合わせたら「ここだよね」ってなって、棒だけあったので「上だけないね」となって
急いで町役場に連絡すると、合わせて2体が無くなっていることが発覚したのだ。
キノコ像がなくなっていることに気付いた女性:
見て、ほっとしたり、ニコってなったりする地元の方もたくさんいたんじゃないかなと思うので、なくなったのはとても悲しい
製作者も「非常に悲しい」
キノコの像は、新たな観光名所にしようと大木町が地方創生交付金を活用して設置した、大切なシンボルだった。

大木町・観光振興課 荒尾健一郎さん:
SNSなどで、少しずつ話題になっていた観光資源のひとつでもあるので、なくなってしまったのは悲しかったです。実は、きのこも少しずつ町内で増やしていこうと思ってまして、数が2体減ってしまったので、早く返してほしいなと思います

人気になり過ぎて持ち去られてしまったのか。素性を一切明かさないことを条件に、製作者に話を聞くことができた。

キノコ像の製作者:
非常に悲しいですね。わが子と変わらないので…。わが子を奪われたような気持ちになっています。愛してくれて持って行かれたのか、いたずらで壊されたのか分かりませんが、町にとって非常に大切な存在ですので、できれば早く返していただきたい
キノコの町の新たなシンボルとして、観光名所になりかけていた矢先に、こつぜんと姿を消した2体のキノコ像。町によると被害額は数十万円になるという。町は被害届を提出している。
(テレビ西日本)