三重県松阪市で12月18日に開催された「みえ松阪マラソン」に、御年94歳の男性が参加した。2019年以来3年ぶりのフルマラソンに挑戦した「鉄人」に密着した。
厳しい冷え込みと強い風に耐えて…完走したら仲間ですき焼き
力強い足取りで五条川沿いを走る中村学而（がくじ）さん。2022年に94歳を迎えた現役マラソンランナーで、「岩倉の鉄人」と呼ばれている。
64歳でフルマラソンを完走したのを皮切りに、国内外合わせて400以上のレースを走破してきた。
中村学而さん：
1番2番という頭は全然ないです。ただ完走狙いで
中村さんが元気な理由は、健康体操のサークル活動にあった。昭和歌謡に合わせて、元気にダンス。周りは全て女性だ。
中村学而さん：
元気出る。女の子20人
マラソンの練習は週に3回程度。3年ぶりのフルマラソンとなる「みえ松阪マラソン」は日本陸連の公認大会で、制限時間7時間以内で完走すれば、国内最高齢記録を更新することになる。ランニング仲間も期待を寄せる。
ランニング仲間（70）：
休まなかったらいけるって。国内最高齢記録を目指しましょう
中村学而さん：
目指しましょう！
迎えた大会本番では、入念にストレッチしてスタート地点へ向かった。
中村学而さん：
（完走したら）終わってからすき焼きを食べようということで、皆さんと一緒に。松阪牛を食べようということでね
午前9時、号砲とともにランナーたちが走り出した…が、7,500人がエントリーしていることもあり、中村さんはなかなか出発できない。8分後にようやくスタートラインにたどり着いた。
中村学而さん（3キロ地点）：
長いなぁ…
ゆっくりと自分のペースで走る中村さん…。しかし、出だしの遅れもあり、3キロ時点ですでに40分が経過していた。
最初の関門は7キロ地点で、制限時間内の完走のためには、10時25分までに通過しなければならない。
しかし、18日の松阪は冷え込みの厳しさに加え、強い風も吹いていた。
ランニング仲間（57）：
あと12分。まだ6キロ行ってないでしょ？
6キロ地点の通過は10時16分で、7キロの関門は制限時間に1分ほど間に合わず、タイムアップとなった。
中村学而さん：
あ〜、ごめんなさい
ランニング仲間A：
大丈夫、大丈夫
ランニング仲間B：
中村さん、がんばった、がんばった
残念ながら松阪牛のすき焼きはお預けになったが、それでも中村さんは走る喜びを感じていた。
中村学而さん：
同伴していただいたおかげで楽しく3人で走れました。がんばります、またね
（東海テレビ）
