12月末が申し込み期限の「ふるさと納税」。どの自治体に寄付をするかは「返礼品」を見て決めるという人も多いと思うが、鳥取・江府町が用意したが用意した返礼品は何と「マムシ」のレプリカ。その狙いとは?
五輪選手も訪れるという工房が製作
「ふるさと納税」とは、出身地など居住地以外の自治体にも寄付金を贈ることができる制度で、寄付分は翌年の住民税などから控除され、寄付した自治体からは特産品などをお礼の品、「返礼品」として受け取ることができる。

鳥取県など県内の自治体も、カニや梨などの特産品を返礼品としてそろえているが、江府町が用意した返礼品がユニークすぎると話題になっている。

寄付額、何と73万円。その返礼品とは“マムシ”だ。
TSKさんいん中央テレビ・岡部楓子キャスター:
肌触りに大きさなど、リアルで今にも動き出しそうですが、安心してください。レプリカです

三角形の頭に縦長の鋭い瞳。そして体には「銭形」の模様。山陰にも生息する毒ヘビ「マムシ」の姿が、リアルに再現されている。

このマムシをつくったのは、伯耆町の「カエル工房」だ。両生類や爬虫(はちゅう)類を中心に生き物のレプリカを製作、販売している。

あの無類のカエル好き、東京オリンピック ボクシング金メダリストの入江聖奈選手も訪れるという、知る人ぞ知る工房だ。
狙いは“認知度”アップ
はく製にするのが難しい両生類や爬虫類。愛好家は多く、レプリカの需要が見込めるのではと、博物館で標本製作に携わっていた店長が22年前、この「かえる工房」を開業した。

リアリティーにこだわってカエルやヘビ、ヤモリなどのレプリカをつくってきた。そこに3年前、ふるさと納税の返礼品としてのオファーが飛び込んできた。依頼主は、米子市の老舗デパートだった。
JU米子髙島屋・大橋大さん:
鳥取県西部には、まだまだ自然豊かな地域がある。自然の生き物を(全国の人々に)知ってもらおうという目的

ふるさと納税を通じ、鳥取県西部の豊かな自然をPRする狙いだった。さらに大橋さんは語る。
JU米子高島屋・大橋大さん:
ほかの県にはないような珍しい返礼品を出品することによって、地域の知名度にも貢献できるかなと思い…
全国の自治体同士が趣向を凝らし、「返礼品競争」が起きる中、差別化を図り、話題を作って認知度アップも狙った。

「カエル工房」からは、マムシのほか、カエル3種類を出品しているが、返礼品として使われたのはカエル2種類だけ。

マムシがお目当ての寄付は、まだ寄せられていないという。
(TSKさんいん中央テレビ)