11月28日に敗血症のため亡くなった渡辺徹さんの妻・榊原郁恵さん(63)が午後5時から会見を開いた。郁恵さんが最初に口にしたのは、世間や報道陣への感謝の言葉だった。

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妻の榊原郁恵さんと息子の渡辺裕太さんが会見

榊原郁恵さん:
本日は足元の悪い中、ましてや世の中はサッカーで盛り上がっている中、渡辺徹を話題にしてもらって。渡辺徹って言う人は偉大だったんだなって思うような瞬間だったものですから大変このように皆さんにお集まり頂いたことをまずは感謝しております。

長男の裕太さん(33)とともに会見に臨んだ郁恵さん。憔悴した様子を見せながらも、時に笑顔を交えて夫を明るく送り出したいという気遣いを感じさせる会見となった。

渡辺さんが入院をしたのは、秋田での医療フォーラムに出席した翌日の11月20日。

そのときの会話が2人にとって最後の会話になったという。

榊原郁恵さん:
私は病院に送るときにちょっとふらついていたので入院だなと思ったので「お父さん何入れるどれ入れる」っていうふうな普段の生活なので、大した会話はしていませんけど。

――出かけるときに?

榊原郁恵さん:
そうですね。はい。「大丈夫?」って言って日曜日だったので、救急外来の方に連れて行ったんですけれども、私が間違えて救急車が入るところに止めちゃって車を。変な話ですけれども、「降りてお父さん歩いてって」という感じのいつも通りの雑な扱いで病院に入った感じです。

意識がなくても必死に言葉をかけ続けた郁恵さん

その日のうちに意識が混濁していき、集中治療室へ。

その後の状況について郁恵さんはこう話した。

榊原郁恵さん:
意識は遠のいておりますけれど、でも話しかければ聞こえますっていう状態だったので、不死鳥のような人ですから。だから最後の最後まで希望を持とうっていうふうな気持ちで。

渡辺さんの意識がない中でも、郁恵さんは必死に言葉をかけ続けたという。

榊原郁恵さん:
ここまで頑張ったので、「がんばれがんばれ」っていうのはちょっと酷ですけど、「手を握ってあげればよかったね」とか。あの人はすごく甘えん坊さんなんですけど、(私が)3歩後ろ下がるタイプではなくて3歩前を歩くようなタイプだったので、だから「ちゃんと横を見て様子を見てあげなかったね」とかっていろいろとそういうその時、その時の言葉で会話はしましたけれど。

そして会見の際も裕太さんと共に雲の上の夫に明るく声をかけた。

渡辺裕太さん:
このあたりで父と共に失礼させていただきたいと思います。

榊原郁恵さん:
ではお父さん帰るよ。

通夜は12月4日、告別式は12月5日に都内で行われ、渡辺さんの遺体は荼毘に付された。

(「イット!」12月5日放送より)