「サフラン」と聞いて、花の映像が浮かぶだろうか?香辛料の映像が浮かぶだろうか?サフランのめしべがスパイスとして使われるのだが、実は大分県竹田市は日本の生産量の8割を占める産地だ。生産農家に取材した。

120年の歴史を誇る“竹田のサフラン”

サフランはアヤメ科の花。
秋が深まって、朝晩がグンと寒くなってくると開花が進んで、花やめしべの収穫で忙しい時期になる。

竹田市は120年のサフラン栽培の歴史があるところ。寒さと、川や湧水などからの湿度がサフランの生育にピッタリだそう。現在は、40軒ほどがサフランの生産を行っている。

サフラン
サフラン
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サフランを生産する長谷川さんは熊本県出身。
サフランに魅力を感じて9年前に家族でこの竹田にやってきた。

生産者の長谷川暢大さん
生産者の長谷川暢大さん

最低気温が12℃を下回る日が続くと開花を始めるサフラン。2022年も10月の下旬に10万球の球根から花が開き始め、今は終盤だ。

生産者 長谷川暢大さん:
この時期は花花花花!サフランのことしか考えてないですよね。こんだけ考えてたら、思いが通じてくるんじゃないか笑

「竹田方式」で品質は世界トップクラス

花の収穫時期に、暗いところで栽培するのは「竹田方式」と呼ばれる独特なもの。
サフランは太陽光がなくても花が咲く。

竹田方式
竹田方式

11月の終わりからおよそ半年間田んぼや畑で大きくなった球根は、5月ごろに再びうす暗い場所に運ばれ、秋の花の時期を待つ。

竹田のサフランが世界トップクラスの品質なのは「竹田方式」のおかげだ。めしべに含まれる有効成分ピクロクロシンは、紫外線に弱く「竹田方式」によって開花の時に陽にあてないからなのである。

品質は世界トップクラス
品質は世界トップクラス

生産者 長谷川暢大さん:
(栽培を始めたころ)暗室がすごい不思議で実際見るとその中で花をどんどん咲かせてるんですよ。これなに?って思った

歴史、効果効能、楽しみ方…知らないなんて「もったいない!」

栽培を始めて9年目になる長谷川さんだが、竹田のサフランはこんなにすごいのにあまり知られていなくて、「もったいない!」と話す。

生産者 長谷川暢大さん:
大体、僕も店頭販売に行ったりするんですけど、そういう時にはサフランの解説をするだけで終わっちゃって。そのサフランを取り巻く環境、ほとんど知らない、知られていない、ということ自体がすごくもったいないなと思いますね

120年間積み重ねた栽培の歴史。歴史から生まれた球根が脈々と竹田の地で繋がっている事。高い効果や効能。そして、楽しみ方が知られていないこと。そのために長谷川さんが考える自分の役割とは?

生産者 長谷川暢大さん:
僕自身が今一番やらないといけないことは伝播することだと思うんですよね。伝えていくこと

PRにも力を入れる
PRにも力を入れる

長谷川さんは県外にも積極的に出かけていき、サフランのPRに取り組んでいる。
また、サフランとの距離を縮めてもらえるように、様々な商品の開発をしている。

故郷の誇り、わが町のサフランを知ってもらうために。

生産者 長谷川暢大さん:
3000年間愛され続けてるサフラン、日本人には合わないの?そんなことないと思うんですよ。だって人類が愛しているわけですから。人類が愛しているんだったら、僕たちも愛せるんじゃないかな?と思いますよね

長谷川暢大さん
長谷川暢大さん

大分県に住んでいながら、竹田のサフランのことを知らない人は多い。
日本の8割が竹田とか、その楽しみ方とか。もったいないと…長谷川さん話す。

3000年世界で愛されるサフラン。実はこんな身近なところで栽培されている。

(テレビ大分)

テレビ大分
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