高知市の住宅街にイノシシの群れが出没した。現地を取材すると、多くの目撃情報とともに住民を悩ます農作物の被害も明らかになった。

高知市で目撃情報多数…庭や畑が荒らされる被害も

10月22日午後5時30分ごろ、高知市万々の住宅地にイノシシが出没。数えてみると7頭いた。親子なのか、大きいイノシシとウリ坊もいた。

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この映像を撮影した隅田秋元さんは...。

撮影した隅田秋元さん:
家から出かけるときに道路を車で行ってたら、前に何かあるなと思ったらイノシシがたくさんいた。全然逃げなくてクラクションを鳴らしたら逃げてくれた。人間を恐れていないのかなと思いました。40cm~50cmくらいかなと思う。エサを探してうろうろしてた感じだと思う

さらに隅田さんは、25日の夜にも同じ場所でイノシシを目撃した。22日の映像よりも1頭多い8頭が撮影されている。

動画が撮影されたのは、万々商店街の近くにある住宅街。イノシシは周りに住宅が立ち並び、多くの住民や車が通る道路をうろついていた。

現場周辺を取材するとほかにも目撃者が…。
25日午後5時ごろ、自宅の庭にイノシシがやってきたという島本幸子さんだ。

島本幸子さん:
何か音がして振り向いたらそこにおった。イノシシが3匹。(大きさは)犬くらいでした。怖いと思いました。まだ日があるうちにね

驚いて悲鳴をあげるとイノシシはすぐに逃げ出し、島本さんにけがはなかった。住民によると、万々付近では3年ほど前からイノシシが出没し始め、庭や畑が荒らされる被害が発生している。

島本幸子さん:
見てもらった通り(イノシシの堀った)穴だらけで、ミカンも何本も枯れました。この次、植えたいけど、植えたって多分いかんやろうと思って、よう植えない。ミカンがよく生っておいしいってみんなが言ってくれて県外の人たちにも送って楽しみにしてもらっていたんです。無くなりましたからね

野菜を育てていた畑も荒らされ、育てるのをやめたという。

住宅街の出没例は増加…イノシシ増加の原因は?

高知市によると、2021年度のイノシシによる農業被害は240万円を超えている。対策が進み、ここ数年、被害額は減少しているが、住宅地での出没例は増えていて、特にイノシシが活発になる季節に入った10月は市にほぼ毎日、目撃情報が寄せられている。

イノシシ増加の原因は耕作放棄地にそのままになっている果樹などが増え、母親のエサが多くなった結果、出産回数や頭数が増えているためと考えられている。

本来イノシシは臆病な性格のため人を襲うことはないが、狭い道で突然出くわすとパニックになり、突進してくるおそれがある。
見かけたときは、興奮させないように静かにその場を離れることが大切だ。

(高知さんさんテレビ)

高知さんさんテレビ
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