国の新型コロナ対策のための交付金を、町がつぎ込んで設置した石川県能登町のスルメイカの巨大モニュメント「イカキング」。設置から1年半経った今も、観光客が訪れる人気の観光スポットとなっている。あらためて地元の反応を取材した。
知名度も人気も能登一番?!
記者:
きょうも、沢山の人がイカキングに集まっています。
能登町に2021年春、設置されたスルメイカのモニュメント「イカキング」。町が国の新型コロナ対策の交付金2500万円をつぎ込んだことで、賛否両論はあったが、今ではすっかりお馴染みの存在となっている。
この記事の画像(15枚)観光客:
東京から来ました。いいと思う、観光スポットになっている
県内から訪れた人からも、こんな声が聞かれた。
石川県羽咋市から来た客:
6億円の価値がある!全くその通りです。2回目。リピーターです
能登町は、イカキングがもたらした経済効果は、約6億円に上ると公表。すでに2500万円の「もと」は、回収できたと胸をはる。能登町のふるさと振興課の網屋栄次郎さんは、こう話す。
能登町役場・網屋栄次郎さん:
効果検証が、100%正しいかは余地があると思うが、ただ一定のものを出したことは説明責任を果たせたのではないか
海外メディアも取り上げるほど、賛否両論あったこともあり、イカキングの経済効果検証は、行政としての説明責任を果たせたと言う。
能登町役場・網屋栄次郎さん:
たくさんのお客さんに来てもらい、すごく効果があったと思っている
イカキングに充てられた新型コロナ対策の臨時交付金。実はその使い方については、充分な検証結果を公表していない自治体が、ほとんどだった。
国の会計検査院は、交付金を受け取った自治体の半分にあたる約1000の自治体を調査し、759の自治体が効果の検証結果を公表していなかったと指摘した。
能登町が、イカキングの効果の検証を公表したことで、安心した人がいる。
イカの駅つくモール 林生一郎駅長:
特に町民の方の複雑な気持ちが少しは晴れたかと思う
イカキングがあるイカの駅つくモールの林駅長だ。イカキング設置以降、飲食・物販施設の売り上げは絶好調だと言う。
イカの駅つくモール 林生一郎駅長:
最初はイカれていたが、とてもイカしたイカでなイカ?と思っているので、ぜひ見てほしい
地元、能登町小木の工房では、イカの駅で販売されているお土産・イカせんべいを作っている。
行動制限がなかったこの夏は、例年の3倍近くを売り上げ、工房は、イカキング効果を実感しているという。
記者:
イカキングがなかったら、イカせんべいの売り上げは?
和平商店 浅井英輝さん:
下がっていたと思います。ありがたい存在ですね、出来てくれて
同じ町内でも、イカキングの効果に濃淡あり?
実際に、その効果を発揮しているイカキング。だが一方で、同じ能登町でも、イカキングから10キロほど離れた宇出津地区で取材してみると…
手芸店の店主:
イカキングは全国的に良かれ、悪かれ知られるようになって、ああいうのが、宇出津にできれば…。
イカキングをうらやましがる一方、その人気には、あやかりたいようで…
手芸店の店主:
こういうTシャツをつくって、販売しているがデザインを変えたい。イカキングのTシャツ、ひとつの観光土産として…。
別の店からは…
記者:
宇出津にイカキングの経済効果は?
日用品店の店主は:
(イカキングまでの)道を聞いてきた人が150円のかりんとう2買って、300円の経済効果がありました。それだけ…(笑)。
記者:
イカキングは?
日用品店の店主は:
1回行ったら、もういいってなるとね…。何が良イカは、アイデアはすぐに出てこないが、客が繰り返し来てくれるようなものが、いいんじゃなイカ?持続性のあるものを…。
設置から1年半が経ち、未だ衰えることがないイカキングの人気。賛否両論の末につかんだそのブームが、イッカいだけで終わらないことを願うばかりだ。
(石川テレビ)