秋が始まる9月の別名を「長月」と言う。そこで、愛媛県立とべ動物園の動物のうち「長い」動物に注目。すぐ思いつくのは首や鼻だが、それ以外にも長い特徴を持つ動物たちがいた。

首以外も長いキリン 1日の7割が食事の時間

長い動物といえば、まずキリンが思い浮かぶ。

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鈴木瑠梨アナウンサー:
キリンで長いといえば首だと思うんですが、他にも長いことがある?

とべ動物園 大野綾菜キーパー:
キリンは餌を食べている時間がとても長いです

首だけでなく食事時間もなが~いキリン。一体なぜなのか?

とべ動物園 大野綾菜キーパー:
キリンがメインで食べている葉っぱというのは、栄養価があまり高いものではないので、たくさんの量を食べないといけないんですね。たくさんの量を食べるために時間がかかります

野生のキリンは、木の葉っぱを1日に60kgも食べるといわれている。動物園では葉っぱよりも栄養価の高い、ペレットや配合飼料などを1日20kg食べている。

とべ動物園 大野綾菜キーパー:
餌を食べている時間は、1日の大体半分くらいといわれています。あと「反すう」というのもするので、その時間も合わせると1日の7割くらいの時間を占めています

キリンなど牛の仲間は、胃を4つ持っている。食べた物はまず第1の胃、第2の胃に入り、胃の中の微生物によって分解と発酵が行われる。ここではまだ消化されず、さらに細かくすりつぶすため、再び口の中に戻される。これが「反すう」だ。

一度のみこんだ食物を細かくすりつぶすため、口の中に戻す
一度のみこんだ食物を細かくすりつぶすため、口の中に戻す

このあともう一度、第1の胃と第2の胃を経由して、第3の胃で水分を吸収。最後に第4の胃で消化している。餌を食べていないのに、口がもぐもぐ動いていたら反すうかもしれない。

また、動物園ではあえて食事時間を長くする工夫もしている。

とべ動物園 大野綾菜キーパー:
格子の間から舌を入れて、乾草を巻き取って口に運んでというように食べてもらってます。そうすることで舌の運動になる。誤嚥(ごえん)を防いだり、唾液の分泌を促して、それも消化の助けになったりという役割もあります

鈴木瑠梨アナウンサー:
すごいですね。食事で栄養も取れるし、舌のトレーニングにもなるし、ちょっとした暇つぶしにもなる。工夫がされているんですね

ダチョウはマスカラいらず?乾燥や天敵から身を守る

続いては、キリンと同じ「サバンナエリア」に暮らすダチョウだ。ダチョウは何が長いのか?

とべ動物園 大野綾菜キーパー:
ダチョウはですね、とてもまつげが長いです。大体3cmくらいありました

ちなみに鈴木瑠梨アナウンサーが自分のまつ毛を測ったところ、1.2cmほどだった。ダチョウはマスカラいらずのまつ毛のようだ。

とべ動物園 大野綾菜キーパー:
ダチョウは野生では乾燥した地域に住んでいるので、ほこりなどから目を守るためにまつげが長いといわれています。また、天敵から身を守るために目を発達させてきたみたいなので、その目を保護する役割はしっかりしている

ぱっちりお目目のダチョウに、キーパーもメロメロのようだった。

とべ動物園 大野綾菜キーパー:
とてもかわいいです。あの目で見つめられると、はあ~ってなります

息継ぎなしで5分も潜れる カバの

続いての長い動物は、どっしりとしたカバ。足も尻尾も短いが…。

とべ動物園 佐々木善基キーパー:
水の中に潜っている時間が長いです

鈴木瑠梨アナウンサー:
まんぷく君が今、ザブンと水の中に入りました。今日は暑いので気持ちよさそうですね

カバは、基本的には水の中で生活する動物。暑い夏の時季は9割ほど水の中にいるという。

とべ動物園 佐々木善基キーパー:
水の底を歩くように移動しています。犬かきのように泳ぐこともありますし、一番早いのは水底を蹴って、けのびしながら前に進むと、かなりの速度で進むことができます。カバの肺は非常に大きくて、ある程度は筋肉に酸素を蓄えることができるため、長い時間潜れるんです

長い時は、息継ぎなしで5分も潜っていることもあるという。1日のほとんどを水中で暮らすカバだが、寒くなるこれからの季節は陸に上がる時間も増えてくるそうで、ゆっくり全身を見られるチャンスだ。

(テレビ愛媛)

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