9月30日から10月2日にかけて行われたフィギュアスケート・中四国九州選手権。
女子は三宅咲綺が2連覇を達成。男子は櫛田一樹が優勝した。
6つの地方大会と東・西日本選手権を勝ち抜いた選手が、12月の全日本選手権への出場権を手にできる。
今回は、中四国九州選手権で西日本選手権への出場権を獲得したシニア・ジュニアの選手たち、そして全日本ノービス選手権を決めたノービスの選手を特集。
【シニア女子】
シニア女子は西日本選手権へ7名が進出。
この記事の画像(20枚)優勝した三宅は、「神戸に拠点を移して、仲間に刺激をもらって、いい練習ができている成果が出た」と自己ベストを更新。
ショートでは、すべてのジャンプを着氷。後半の滑りは圧巻で、映画「グレイテスト・ショーマン」の劇中歌「Never Enough」の盛り上がりに合わせ、スピンやステップを感情豊かに滑った。
出来栄え点でも多くの加点がつき、約1年ぶりの60点超えを果たした。
フリーではジャンプに転倒こそあったものの、「ミスを引きずらずに立て直すことができた」と手応えを感じていた。ミスがあっても自己ベストを更新し、ベースアップを実感した三宅。
「今回、失敗したところやスピンもレベルが取れていないので、1つ1つのレベルを上げて練習していきたい。今年も全日本選手権に出場して、強化選手に戻りたい」
そう意気込む三宅は、西日本選手権だけでなく、その先に待つリベンジの全日本選手権に向け、決意を新たにした。
2位の永見千代乃は鳥取県出身のスケーター。
鳥取在住時は、練習時間の確保に苦心する日々が続いた。しかし、大学進学を機に、去年から岡山へ転居。腰を据えて練習ができるようになり、今伸び盛りの選手だ。
ジャンプに細かいミスがあったが、体全体を使った表現やスケールの大きい滑りは見ているものを引き込む力を持っている。去年は13位で終わった西日本選手権で、どこまで上位に食らいつけるか注目したい。
3位と4位には、今季集大成のシーズンを送っている福岡のスケート姉妹、竹野比奈・仁奈が入った。
3位になった妹・竹野仁奈は今年で大学4年生。「1週間前から調子が上がらなかった」とジャンプが噛み合わず、得点を伸ばすことができなかった。
「西日本に向けて、自分のジャンプに自信を取り戻したい」と巻き返しを誓う。
姉・竹野比奈が4位。大学卒業後も現役を続けてきた25歳。
妹同様、ジャンプが噛み合わず、得意のスピンでもミスが出ててしまった。「このままでは全日本にいけない」と危機感を募らせる。
西日本に向けては、「自分の良いところをちゃんと出せるように、しっかりレベルアップして、絶対全日本に行けるような演技をしたいなと思います。」
現在、練習拠点のパピオアイスアリーナが閉鎖に追い込まれている。8月末には再開に向け動きだしたという話もある。
福岡のスケートを盛り上げるため、3度目の姉妹での全日本出場を目指し、切磋琢磨して、西日本に調子を合わせたいところだ。
1 三宅 咲綺(岡山理科大学)178.00点
2 永見 千代乃(ノートルダム清心女子大学)155.08点
3 竹野 仁奈(筑紫女学園大学)145.46点
4 竹野 比奈(福岡大学)141.67点
5 田村 綾音(広島文化学園大学)139.02点
6 伊勢 桃菜(広島スケートクラブ)137.53点
7 西坂 美柚(九州大学)129.79点
【シニア男子】
シニア男子は全員が、西日本選手権へ出場を決めた。
優勝した櫛田は、大学を卒業し、5年ぶりに中四国九州選手権に帰ってきた。
夏の大会後にスケート靴のトラブルがあり、エッジの位置が悪いまま練習をしたため、膝も痛めてしまったという。
調整に苦戦した中での今大会だったが、ショート・フリーともに4回転トゥループを成功させる。2位以下に30点の差をつけ、200点を超えての優勝となった。
「去年のリベンジがここから始まった。この優勝を糧に、西日本選手権で上位に入れるように頑張りたい」
櫛田は去年の全日本選手権で17位に終わり、「このままでは気持ちよく引退できない」と、現役続行を決意。西日本選手権までにスピンの修正と、ステップがレベル4を取れるように練習していきたいと意気込んだ。
2位は杉山匠海。2年連続で全日本選手権出場中の大学2年生だ。
かつてはアメリカ・デトロイトに拠点を置き、元世界女王の佐藤有香さんに師事していた。
ノービス時代には、アイスダンスで全日本ノービスを制したこともあり、スケーティングに定評のある杉山。アメリカのジェイソン・ブラウンのような、しなやかさのある演技が魅力だ。
今大会ではトリプルアクセルに苦戦していたため、西日本選手権までに修正ができれば、3年連続の全日本出場も見えてくる。
1 櫛田 一樹(倉敷FSC)203.54点
2 杉山 匠海 (岡山大学)171.95点
3 古家 龍磨(九州工業大学)134.55点
4 鈴木 空(就実大学)132.29点
【ジュニア男子・女子】
ジュニア男子は9名の西日本選手権進出が決まった。
優勝したのは、今季ジュニアデビューした中学1年生の植村駿。
昨年のノービスに続き、優勝を飾った。
ジャッジにアピールしながら滑ることを意識したというフリーでは、自己ベストを20点も更新する出来だった。
植村は「スケーティングを頑張った。技術力を磨けばもっと点数が出る。ジャンプとスピンをもっと頑張りたい。びっくりな優勝だったが、モチベーションが上がったので、西日本選手権も頑張りたい」と語った。
無良隆志・崇人親子の縁で、佐藤駿と練習の機会もあったという植村。同じ“駿”の先輩を目指し、練習に意欲を燃やす。
1 植村 駿(ユニバースFSC)150.35点
2 垂水 爽空(パピオフィギュアクラブ)146.72点
3 小河原 泉颯(倉敷FSC)134.04点
4 末国 太樹(広島スケートクラブ)133.87点
5 樋口 温之(山陽学園)132.18点
6 大村 健太(岡山FSC)131.82点
7 中山 岳(倉敷FSC)127.04点
8 吉岡 祐誠(沖学園)125.49点
9 戸田 晴登(北九州FSC )114.97点
ジュニア女子は、高校3年生の岡本真綸がノービス時代を含め、中四国九州選手権で初優勝。
ショートはすべてのジャンプを着氷させ、回転不足こそあったが、安藤美姫さん振付の「おんな城主 直虎」を力強く滑りきり、唯一の50点台を獲得する。
3シーズン継続している、フリー「ノートルダムの鐘」でも、ジャンプをすべて着氷。自己ベスト更新のスコアで「去年よりも成長した姿を見せられた」と充実の表情を見せる。
今後はショート・フリーでさらなる自己ベストの更新、プログラムのパフォーマンスを上げていきたいと意気込む。
1 岡本 真綸( 岡山理大附高校)155.37点
2 鴨井 彬莉彩(パピオフィギュアクラブ)131.80点
3 武田 沙弓(香川フィギュアC)126.11点
4 横田 胡幸(香川フィギュアC)118.14点
5 加生 捺乃(大分ゴールドFSC)111.29点
6 村岡 那菜(就実学園)110.98点
【ノービスA・B、男子・女子】
ノービスA男子は7名、ノービスA女子は5名が全日本ノービスへ。
1 岡崎 隼士(倉敷FSC)87.89点
2 馬場 清輝(山陽学園)81.73点
3 谷 圭(岡山FSC)72.07点
4 當利 優真(熊本バンビーニクラブ)67.10点
5 長瀬 智洋(岡山FSC)59.71点
6 伊藤 虎琉(飯塚フィギュアクラブ)59.02点
7 加来 翔映(パピオフィギュアクラブ)56.62点
1 吉田 菫(倉敷FSC)75.72点
2 加生 乙夏(大分ゴールドFSC)62.41点
3 真辺 奈央(岡山FSC)60.71点
4 渡邊 愛子(岡山国際FSC)60.17点
5 山本 七海(倉敷FSC)53.95点
ノービスB男子は6名、ノービスB女子は3名全員が全日本ノービス出場を決めた。
1 佐久間 陸(エンジェルFSC)61.27点
2 鈴木 英徳(広島スケートクラブ)60.96点
3 吉岡 陽稀(飯塚フィギュアクラブ)58.88点
4 秋元 聖輝(飯塚フィギュアクラブ)55.96点
5 岩根 玲瑛(熊本バンビーニクラブ)47.77点
6 双木 洸(クラブ サザンクロス)45.81点
1 小野 優月(岡山SC)57.57点
2 堀池 礼姫(熊本バンビーニクラブ)43.49点
3 丸尾 和心(エンジェルFSC)42.29点
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https://www.fujitv.co.jp/sports/skate/figure/toJPN.html