10月6日からウズベキスタン・タシケントで開幕する、2022世界柔道選手権。
この舞台に一度は打ち破れた夢を追い、再びいばらの道を歩み始めた男がいる。

男子66キロ級、世界選手権2連覇中の丸山城志郎(まるやまじょうしろう・29)だ。
届かなかった夢舞台の当日
去年7月25日、東京五輪で男子66キロ級の試合が行われた日、丸山は黙々とトレーニングをこなし、階段を駆け上がっていた。

「人生の内のたった3年なので、死ぬ気でやり残すことなく。今日もその中の一部だと思っています」
数奇な運命に導かれたライバル・阿部一二三との代表内定選考会。

五輪代表をワンマッチで決める、柔道史に残る死闘に敗れた丸山は、夢舞台に立つことができなかった。
五輪ロードの全ての「負」をその身に刻んだ丸山は、それでもためらうことなく、次なる舞台へ語気を強める。
「目標が叶わなかったというのは本当に悔しくて、パリ五輪では『僕が勝つ姿を皆さんに見せたい』という気持ちがより強くなりました。大きな怪我をしないこと。
なおかつ追い込んで集中して、自分の柔道をこの7カ月のうちに崩さずに、どう向き合っていくかというのがすごく大事になってくるので、誰に何と言われようと自分の人生をかける思いでやっていきます」
真っ向勝負で挑む 覚悟の10戦目
もはや柔道史に語り継がれる名勝負として刻まれた、あの代表決定ワンマッチ。1試合4分、実に6試合分にあたる24分間の死闘。
濃密で崇高な一騎打ちのそのあと、丸山は柔道家として大きなことに気がついたと語る。

「『自分のスタイルを曲げない』こと。あの時は小細工が必要だと思って試合をしていた自分がいた。振り返ってみて自分の柔道にはそういうのは合わないなと思ったので。小細工無しで、心技体で勝負する」
阿部一二三とはこれまで9度戦い、丸山の4勝5敗。
今回の世界選手権で直接対決が実現するとすれば、決勝以外にあり得ない組み合わせになる。五輪王者と世界王者。
丸山は、真のナンバーワンを決める10度目の直接対決へ挑む。

「ただ勝ちたい。シンプルにその思いだけです。もちろん優勝を狙ってやっていきます。厳しい戦いになると思っていますが、我慢強く執念を持って、自分の柔道を貫き通して“やっぱり丸山強いな”って言われるような柔道をして、世界一になりたいと思います」

世界選手権大会3連覇とその先に映る未来。
身を焦がすほどに求めてやまない、五輪の栄光に向けて、丸山にはもうその覚悟は、出来ている。
2022世界柔道選手権
10/6開幕!
フジテレビ系列で8夜連続中継!
https://www.fujitv.co.jp/sports/judo/world/index.html