2022年9月23日、西九州新幹線が開業した。その開業に合わせて長崎県内で唯一、新幹線のために作られた新しい駅が「新大村駅」だ。
“高速交通三種の神器”でまちが変わる
所要時間は、新大村駅から博多までは最速1時間11分で結ぶ。新大村駅があるのは長崎県の中央に位置する大村市。長崎空港があり、長崎県の玄関口でもある。
その長崎空港から西に約4km、最寄りの高速道路(大村インターチェンジ)から1kmほどの場所にあるのが「新大村駅」だ。
大村市によると、駅の4km圏内に「空港」「高速道路」「新幹線」がそろう自治体は全国に14カ所しかないという。こうした「交通アクセス」の良さを生かして、大村市では、新幹線開業に合わせた新たなまちづくりが進められている。
新大村駅の東側では、約2万5,000平方メートルの敷地にスーパーや飲食店、マンションなどが出来る予定で、2024年度末の完成を目指している。
開業前日の22日、新大村駅では、夜までプロジェクションマッピングが行われた。
集まった大村市民は…
(Q.新幹線に乗ったことはある?)
大村市民:
ない。乗ってみたい
大村市民:
(新幹線は)便利。みんなうれしいのでは
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行政も、交流人口の拡大に期待を寄せている。
大村市・園田裕史市長:
新幹線をきっかけに、大村市が新しく変わるということ
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大村市・園田裕史市長:
新幹線、長崎空港、高速のインターチェンジ2つ、いわゆる高速交通三種の神器を兼ね備えることになる。大村市が発展していくことが、県全体の発展につながる
“乗り鉄”の男性 「一番列車は乗り心地が快適」
大村市に、新幹線を愛してやまない鉄道ファンがいる。会社員の藤江光一さん(26)。開業1カ月前。JR長崎駅に藤江さんの姿があった。満面の笑みで乗車チケットを見せてくれた。
藤江光一さん:
取れました!
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実は藤江さんは、たった10秒で売り切れたという開業日の一番列車の切符、いわばプラチナチケットの持ち主だ。
藤江光一さん:
これが開業の日の切符。今も家の神棚に並べている
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自分の住む街に新幹線がやってくる。中学生の頃に、大村市に新幹線が通ることを知った藤江さん。安全に快適に、そしてあっという間に目的地に到着する新幹線に魅了された。
藤江さんは、いわゆる「乗り鉄」。特に、大学時代は新幹線に乗りたい一心で全国を駆け回った。どんなに遠くても飛行機は使わない。例えば…
藤江光一さん:
新潟「Maxとき」という列車。もう走ってない。引退するという話を聞いて、急いで長崎から新潟に行った
![切符がファイリングされている](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/6/3/700mw/img_63baa5f48ff443e8108014ee3fb4e846691597.jpg)
好きが高じて大学の卒業論文のテーマは、「新幹線の開業における対策と課題」。とにかく「NO 新幹線 NO LIFE」の藤江さんの最近の楽しみは、新幹線「かもめ」の追っかけだ。
西九州新幹線の開業前、藤江さんは、一番列車の車窓でも期待している大村湾を望む高台の写真スポットを訪れた。
試運転の新幹線が姿を現すか分からないながらも、藤江さんはすぐにスタンバイにかかる。よく見ると両手にスマートフォンが。
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藤江光一さん:
通知があったので、ツイッターを見ていました
普段使いのスマートフォンと新幹線を撮影するためだけのスマートフォン。二刀流を使いこなす藤江さんに、ついにその時が訪れる。
藤江光一さん:
来ました。突然だったので、何とか間に合いました。うれしいですね。特にいま夕方なので(大村湾に)夕陽が沈みつつあるところがいい。大村って普通の街だと思うところもあったが、いまは景色も全然違って見える
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後日、藤江さんに一番列車の感想を聞いた。車内の様子や車窓からの風景を夢中になって撮影していたという。
藤江光一さん:
一番列車は乗り心地が快適で、あっと言う間に武雄温泉駅まで着いた。もう少し乗っていたかった
夢のようなひとときは、藤江さんにとって一生の思い出だ。
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9月23日に開業した西九州新幹線。駅周辺の自治体や乗り鉄の思いも乗せて、笑顔を運ぶ。
(テレビ長崎)