9月23日から25日にかけて行われたフィギュアスケート・中部選手権で、男子は山本草太、女子は松生理乃が優勝した。

6つの地方大会と東・西日本選手権を勝ち抜いた選手たちだけが、12月の全日本選手権への出場権を手にすることができる。

中部選手権で西日本選手権への出場権を得た選手たちを特集する。

【シニア男子】

シニア男子は出場選手全員が西日本選手権へ進出した。

中部選手権で優勝した山本草太
中部選手権で優勝した山本草太
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優勝した山本は、中部選手権を3連覇。新たな4回転ジャンプ習得を目指す中で、右足の中足骨を痛めた状態のまま今大会へ臨んだ。

ショートでは冒頭2種類の4回転ジャンプで多くの加点がつく高い出来栄えで成功。昨季からの継続プログラム「Yesterday」は、表現に磨きがかかり、演技構成点でも高い評価を得た。

90点台後半に迫るスコアだったが、山本は「まだ目標としている100点には少し届かない。自分の中で悔しい気持ちがある。100点を見据えながら、また練習を頑張りたい」とショートを振り返る。

山本草太
山本草太

一方フリーは、プロフィギュアスケーターで振付師としても活躍する鈴木明子さん振付の「ピアノ協奏曲第2番」。

「何か彫刻のようなポージングをイメージされて振付してくださった」と山本が語る今季のプログラムには、本格的に練習に取り組む4回転フリップを実戦で初投入。

転倒こそしたものの、回転不足なく回りきった山本は、自身初の4回転4本の構成を滑りきり、「1つこの構成で挑んだという収穫が得られた」と語る。

山本は「今回挑戦してムリしなくてもいいのかなと感じた。4回転3本でも十分に点数は高得点を狙える」と中部選手権の手応えを受け、「まずはGPシリーズで表彰台を目指してしっかり挑みたい。最終的には全日本も一つ目標にしている。最後までしっかりとプログラムを磨いていきたい」と意気込んだ。

今後は演技全体の完成度を重視していく予定だという。

シニア男子の表彰台(中部選手権)
シニア男子の表彰台(中部選手権)

1 山本 草太(中京大学)253.80点
2 岩野 颯太(邦和SC)117.50点
3 和田 龍京(中京大学)96.79点

【シニア女子】

すでにシードのある河辺愛菜と13名が西日本選手権へ進出したシニア女子。

中部選手権で優勝した松生理乃
中部選手権で優勝した松生理乃

昨季、四大陸選手権代表をつかんだ、高校3年生の松生が昨年に続いて、中部選手権を制す。

8月の「げんさんサマーカップ」を出発当日にケガで欠場したため、今大会が今季の初戦に。

ショートでは「Papa, Can You Hear Me?」をしっとりと演じきり、「初戦で大きなミスなく演じきれたのは大きいんですけど、スピンが自分の中で2個失敗したという感じで、点数が伸びなかった。すごくホッとした気持ちと反省の気持ちが半々くらい」と振り返る。

松生理乃
松生理乃

フリーの新プログラム「Nella Fantasia」は、松生が「この曲で滑ると自然と笑顔になって、すごく気持ちよく滑ることができる。今回試合でも気持ちよく滑ることができて、それが点数にも反映されていたと思う」と話すように、伸びやかなスケーティングと相性が良い。

ジャンプにミスはあったが、スピン・ステップは最高評価レベル4を獲得。演技構成点も8点台が並んだ。

この楽曲で滑った荒川静香さんや三原舞依の演技が印象にあるという松生。この先、松生がどのように自分のものにしていくか楽しみだ。

河辺愛菜
河辺愛菜

2位の河辺は、すでに全日本へのシードがあるが、今大会に出場。

「フリー後半の要素の順番を変えたので、もう一度滑っておきたかった」と、前週の「USクラシック」に続いて2週連続の試合に挑んだ。

そのフリーではジャンプにミスがあったものの、前週よりも後半の体力面では収穫があったという。特にコレオシーケンスの力強さと疾走感は、河辺の魅力がしっかり表現されていた。

これからGPシリーズや全日本と大きな大会が続くが、河辺は「去年の成績を超えたい。今季はトリプルアクセルを試合で入れられていないので、間に合うように頑張りたい」と昨季、北京五輪に導いた大技も組み込んでいきたいと話した。

横井ゆは菜
横井ゆは菜

試合会場の邦和みなとスポーツ&カルチャーをホームリンクにする横井ゆは菜が3位に。

滑り慣れたリンクで「ノーミスが久々すぎる」と、ショートではカッツポーズが飛び出した。エキゾチックな音楽に乗せ、体全体を使った表現は会場を魅了した。

フリーの「ハンガリー狂詩曲」はジャンプにミスが出たが「元気よく滑ることができた」と満足そうに語った。

中部選手権4位の大庭雅
中部選手権4位の大庭雅

4位は大庭雅。「自分はどこまで競技を続けるか決めていない」とシングルスケーター最年長の27歳が今年も戦いのリンクへ。

昨季、全日本でフリー進出するなど活躍を見せたことで今季も現役続行。今大会は「練習の準備からすごく良い状態で試合に入れた」と話していただけに、表彰台を逃したことへの悔しさをにじませた。

今季は自らが振り付けたショートと安藤美姫さんと共同作品のフリーで勝負する。大学卒業と同時に引退する選手が多い中、ベテランスケーターの活躍に注目だ。

中部選手権6位の紀平梨花
中部選手権6位の紀平梨花

6位の紀平梨花は、2021年4月の国別対抗戦以来の525日ぶりの実戦復帰に。5月に出演したアイスショー以来、約4カ月の間、氷上に乗らず休養した。

「全日本選手権を捨てることはできない」と中部選手権の3週間前に練習を再開し、急ピッチでこの試合に間に合わせたという。まだ右足のケガは完治とは言い切れず、大きく構成を落とす中での一戦となったが、紀平の底力を感じた。

ショートは約1週間前に跳び始めたというジャンプを2回転アクセル、3回転サルコウ+2回転トゥループ、3回転トゥループと成功。今季からルール変更のあったスピンもしっかり得点を重ねた。ステップも最高評価のレベル4を獲得し、音を感じながら表現できる力は健在だった。

ショートを終え約1年半ぶりのリンクに立った紀平は、ケガへの不安がある中で、「中途半端に試合に出ている気持ちがあった」と複雑な心境を語りながらも、「足のことを気にせず滑ることができるのを早く楽しみにしている。そのときを楽しみに頑張って治したい」と話した。

紀平梨花
紀平梨花

フリーは昨季も使用する予定だった「タイタニック」。ジャンプではミスが出たが、ジャンプができない間に磨いたスケーティングが光り、壮大な曲に滑り負けすることなく、演じきる。

五輪シーズンに勝負をかけようとしていたプログラムなだけに、見応えのある4分間となった。

全日本上位進出や世界選手権、四大陸選手権も視野に入れる紀平は「早く復帰したいですし、復帰するのは“完治”でしょうという自分の中の意見もあるし、でも“出たい”という思いも。完治させたら、絶対早いという自信はある」と前を向く。

ケガが完治し、思い切り滑られるようになったら、どんな完成形が見られるのか期待したい。

シニア女子の表彰台(中部選手権)
シニア女子の表彰台(中部選手権)

1 松生 理乃(中京大中京高校)192.63点
2 河辺 愛菜(中京大中京高校)176.62点
3 横井 ゆは菜(邦和みなとSC/中京大)173.36点
4 大庭 雅(東海東京FH)166.37点
5 山下 真瑚(中京大学)162.89点
6 紀平 梨花(トヨタ自動車)154.49点
7 横井 きな結(中京大中京高校)150.01点
8 磯村 彩姫(中京大学)139.81点
9 竹内 すい(大同大学)132.18点
10 渡邉 朱音(椙山女学園大学)125.58点
11 田村 珠里亜(愛知みずほ大瑞穂高校)125.13点
12 加藤 利緒菜(中京大学)123.57点
13 浦松 千聖(中京大学)119.81点
14 渡辺 真央(中京大学)109.03点

【ジュニア男子・女子】

ジュニア男子は7名、ジュニア女子は8名が西日本選手権へ進出。

田内誠悟
田内誠悟

優勝したジュニア男子の田内誠悟が連覇を達成。先日、初のジュニアGPシリーズの出場を決めた14歳だ。フリーでは4回転トゥループに挑戦するも、回転不足で転倒。

その後もジャンプのミスが続き、大技挑戦の難しさを痛感した。だが、田内の長い手足を活かした表現力で高い演技構成点をたたき出した。

和田薫子
和田薫子

ジュニア女子は、山田満知子コーチに師事する和田薫子が初優勝。昨年の全日本ノービス選手権で2位に入った有望株で、今季ジュニアデビューを果たした。

今年はジュニア合宿も参加し、和田は同年代の選手たちから刺激を受けた。フリーはかつて浅田真央さんも演じた「仮面舞踏会」。

ジュニア1年目らしく、勢いのある演技でリンクを颯爽と駆け抜けた。滑りを磨き、次の西日本選手権、全日本ジュニア選手権で上位進出を狙う。

ジュニア男子の表彰台
ジュニア男子の表彰台

1 田内 誠悟(名東FSC)160.58点
2 三島 舞明(名古屋FSC)159.07点
3 芳岡 優希(LYS)157.05点
4 誉田 知己(愛知みずほ大瑞穂高校)144.85点
5 三原 庸汰(ノイエス金沢FSC)131.41点
6 佐藤 和那(邦和みなとスケート部)124.22点
7 中野 瑠伽(名東FSC)116.63点

ジュニア女子の表彰台
ジュニア女子の表彰台

1 和田 薫子(グランプリ東海クラブ)155.15点
2 矢口 真央(スペリオール愛知FSC)147.14点
3 後藤 千弦(中京大中京高校)137.51点
4 大坪 瑚子(邦和みなとスケート部)134.37点
5 山根 有加里(名東FSC)118.00点
6 門田 桃愛(名東FSC)117.30点
7 高岡 もも(中京大中京高校)108.09点
8 森 実愛(名古屋FSC)107.92点

【ノービスA・B、男子・女子】

ノービスA男子は出場者全員4名が全日本ノービスへ、ノービスA女子は推薦選手である上薗恋奈、岡田芽依に加えて4名が全日本ノービスへ進出。

ノービスA男子の表彰台
ノービスA男子の表彰台

1 花井 広人(邦和みなとスケート部)86.06点
2 松本 悠輝(スペリオール愛知FSC)70.50点
3 竹中 慎(アテナ豊橋FSC)57.74点
4 青木 蓮耶(グランプリ東海クラブ)51.27点

ノービスA女子の表彰台
ノービスA女子の表彰台

1 上薗 恋奈(LYS)98.08点
2 岡田 芽依(ポラリス中部FSC)86.86点
3 大野 友心音(ポラリス中部FSC)61.96点
4 戸川 南沙(アテナ豊橋FSC)61.04点
5 佐藤 心春(邦和SC)59.65点
6 森田 愛華(グランプリ東海クラブ)56.11点

ノービスB男子は6名が、ノービスB女子は推薦選手の花井咲良、星碧波、森岡凛に加えて6名が全日本ノービスへ進出した。

ノービスB男子の表彰台
ノービスB男子の表彰台

1 三浦 琉生(グランプリ東海クラブ)60.05点
2 河合 悠立(名東FSC)58.96点
3 木村 勇翔(グランプリ東海クラブ)54.64点
4 丸山 喜生(アイリスFSC)51.05点
5 三田 夏輝(邦和SC)48.75点
6 富樫 悠也(グランプリ東海クラブ)48.34点

ノービスB女子の表彰台
ノービスB女子の表彰台

1 花井 咲良(邦和みなとスケート部)63.37点
2 星 碧波(グランプリ東海クラブ)63.34点
3 矢島 凜果(グランプリ東海クラブ)59.99点
4 榎本 ミク(名東FSC)58.68点
5 森岡 凛(LYS)57.95点
6 竹島 花英(LYS)56.42点
7 河合 美璃杏(邦和SC)55.99点
8 河合 心々渚(グランプリ東海クラブ)55.10点
9 宋 玟炅(邦和SC)54.70点

全日本までの道の詳しい概要はフジスケで!
https://www.fujitv.co.jp/sports/skate/figure/toJPN.html