鍛え上げられた筋肉を強く美しく表現する、ボディビルの世界。最近は女性もその魅力にハマっているという。広島で開かれた、ボディビル大会の盛り上がりを取材した。

”肉体美”に魅了される観客たち コロナ禍で広がる筋トレ動画も影響か

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8月14日、広島市中区でボディビル大会「レモンクラシック2022」が開催された。
客席は“ワクワクが止まらない“という雰囲気に包まれ、来場者はボディビルダーにくぎ付け。

「インスタグラムでしか見たことがない選手を、生で見られるので楽しみです」という声も聞かれた。左手にスマホ、右手で双眼鏡を目に当てる人も…。
その熱い視線の先で繰り広げられていたのは、鍛え上げられた肉体美。

舞台袖には、出番の直前まで腕立て伏せをする選手の姿があった。パンプアップ、すなわち筋トレ後に筋肉が大きくなる状態にする調整だ。
この日のためにトレーニングを重ねてきた選手たちが、大会で自慢のボディを競い合う。

主催者・原田大智さん:
大会のチケットはすぐに売り切れました。出場者も観戦の方も、北海道から沖縄まで県外から多くの人が来てくれます。微力ですけど、広島に貢献できるのではないかと思っています

大会に出場した選手と記念撮影する女性の観客
大会に出場した選手と記念撮影する女性の観客

コロナ禍の後押しもあるのか、筋トレ系の配信動画をきっかけに来場した女性たちもいる。
ある女性は「好きなYoutuberが出場するので見に来ました。私も趣味で筋トレを始めて、筋トレ系のYoutubeに注目するようになりました」と話す。

「男性に負けたくない」産後太りをきっかけに挑戦

ボディビル大会に挑むのは男性だけではない。明岳菜津子さん(34)。

一児の母である明岳さん、産後太りの面影はもうない
一児の母である明岳さん、産後太りの面影はもうない

明岳さんは一児の母だ。この世界に足を踏み入れたきっかけは、産後太り。
筋肉を増やし、太りにくく痩せやすい体を手に入れるため、毎日トレーニングに打ち込んでいる。

明岳 菜津子さん:
以前は、きゃしゃな細い体がいいので筋肉をつけたくないという女性が多かった。最近では筋肉をしっかりつけてカッコいい体にしたい女性が増えたと思います。私もその一人で「男性にも負けたくない」という気持ちがありますね

大会の結果は…? 家庭や仕事に追われる中で「新しいものをつかんだ」

ボディビル大会の当日。会場に到着した明岳さんは「やることはやったので、あとは本番でやるだけです」と言って、選手控え室へ向かった。

舞台裏でパンプアップして筋肉を調整する選手たち
舞台裏でパンプアップして筋肉を調整する選手たち

本番のステージで男性選手が競い合う中、舞台裏には女性のボディビルダーがずらりと並んでいる。チューブやダンベルなどを使い、競技の直前までパンプアップ。筋肉を最大限まで張った万全なボディで、戦いのステージに立つのだ。

予選は、明岳さんを含む6人が通過した。

予選で、鍛錬されたボディを披露する明岳さん
予選で、鍛錬されたボディを披露する明岳さん

次はいよいよ決勝だ。
舞台袖で順番を待つ明岳さんの表情には、緊張感がみなぎっている。ステージに6人の選手が出そろった。

大会司会者:
まいりましょう、フロントポーズ!

それぞれの選手が、最も美しく見せるポーズを決める。女性のビキニ部門は筋肉量だけでなく、胸やお尻の丸みなど、女性らしい美しさも必要な難しいカテゴリーだという。

予選を通過した選手が競い合う決勝のステージ
予選を通過した選手が競い合う決勝のステージ

そして、運命の結果発表…。
6位から順に発表され、残り2人になっても、まだ明岳さんの名前は呼ばれない。
 

大会司会者:
優勝はエントリーナンバー117番

明岳さんの番号だ。目標としていていた、初優勝を見事に果たした。

ボティビル大会で優勝した明岳さん(中央)
ボティビル大会で優勝した明岳さん(中央)

明岳 菜津子さん:
知名度のある方や全国でも優勝経験のあるすごい選手がそろっていたので、そこで評価してもらえてうれしいですね。ついつい家庭や仕事が優先になってしまいますが、新しいものをつかんだ気がします

産後太りがきっかけで始めた、筋トレ。日々の努力の積み重ねが、大会1位という結果と自信につながった。女性もハマる”肉体美”の世界にこれからも目が離せない。

(テレビ新広島)

テレビ新広島
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