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送迎バスの中で放置され、河本千奈ちゃん(3)が死亡した事件。
警察は業務上過失致死の疑いで、こども園や園長の自宅などに家宅捜索に入りました。

「あってはならないことだよね。夜もしっかり寝られないし、気持ち的に」

めざまし8の取材に答えたのは、川崎幼稚園の関係者です。園児の出欠の管理について、その実態を明かしました。

園関係者語る管理の“実態”

事件当日、6人の園児を乗せた送迎バスは、園長が運転を担当。派遣の70代の女性が補助の職員として乗っていました。
普段は別の人物が運転を担当していますが、この日は休みだったため、急きょ園長がハンドルを握ることになったといいます。2人の職員で、6人の園児を管理する体制でした。

川崎幼稚園の関係者:
帳面があるんですよ。出席ノートみたいなのがあって、園児が乗車したら、そこに丸印をつけます。園にみんなを送り届けたら、タブレットで入園したか、欠席だったかを印をつけるようにしています。

園児がバスに乗る際は、補助の職員がノートに出欠をチェック。ノートの情報を元に、タブレットのアプリに出欠情報を登録するといいます。しかし…

Q. 降りる時に園児がいるかどうかのチェックは特にしていない?
川崎幼稚園の関係者:

していない

「園児がバスから降りるときのチェックはしていない」というのです。
6日に会見を開いた静岡県の担当者も、車内の状況について、園長と補助の職員は千奈ちゃんがバスから降りたかどうかや、園児全員が降りたかどうかの確認を行わなかったと説明しました。

2021年、福岡県で送迎バスに取り残された園児が亡くなるという事件を受け、厚生労働省や文部科学省が出した通知には「子どもの乗車時及び降車時に座席や人数の確認を実施し、その内容を職員間で共有すること」とありますが、守られていなかった形です。

園長が運転の“イレギュラー” 降車後の清掃作業は?

さらに、急きょ運転手が園長に代わったことで、いつもの決まりの作業が行われなかった可能性があることが分かってきました。

川崎幼稚園の関係者:
いつもは運転する人が、忘れ物がないか、確かめて掃除したりする。
(園長は)俺がやることじゃないと思っていたのかもしれない

バスから園児を降ろした後、いつもならば運転手が行うという車内の清掃作業。
ところが、事件当日は園長が運転手だったため、それが行われなかったのではないかというのです。

園長はバスを降りる際、確認を行っていたのか。
めざまし8は6日夜、園長を直撃しましたが、何も答えずに車に乗って去って行きました。

アプリ上では「登園」重なる確認不足…気がつけなかった“命”

職員の確認不足は、園児たちが教室に入ってからも続きました。
県によると、補助の職員が入力したことで、千奈ちゃんはアプリ上では「登園」となっていましたが、教室にはいませんでした。

クラスの担任や副担任は、その事実に気づいていたといいますが、クラスにいなかったため「欠席」と認識し、ノートやアプリを見て状況を確認することはなかったとみられています。

約5時間も車内で放置された千奈ちゃん。
司法解剖の結果、死因は熱中症の1つ、熱射病であることが分かりました。

永岡文部科学大臣は6日の閣議後の会見で、再び起きてしまった痛ましい事件に対し「このように痛ましい事案が再度、起きてしまったことは本当に極めて遺憾でございます。断腸の思いであります。とても悲しいし、一体通知はなんであったのかと思う次第でございます。」と悔しさをにじませました。

(めざまし8 9月7日放送)