8月の内閣改造で経済産業大臣に就任した西村康稔氏(59)。経産省の職員が西村大臣の「出張時の注意点」と題した対応マニュアルを作っていたことがわかった。
視察先の名産品を購入 「お土産ロジ」の内容は
この記事の画像(16枚)【取扱注意】と書かれたA4サイズ1枚のこの文書。出張時の場面を分類し、「車中」「お土産購入時」「帰宅時」それぞれの注意点が詳しく書かれていた。
そのひとつが「お土産購入ロジ」と題された項目。
2021年まで経済再生担当大臣を務めていた西村大臣。その時は視察で訪れた各地の名産品をお土産として購入し、SNSによく投稿していた。
マニュアルにある出張時のお土産購入の注意点を見ると「大臣は、お土産の購入量が非常に多いため、荷物持ち人員が必要。秘書官一人では持ちきれないため、東京駅の大臣車積み込みまで対応することが理想」
「また、お土産店を移動して買い物をすることも想定されるため、会計は一人ではなく複数人で対応できる体制が必要。(大臣はご自身で払おうとするが、会計には時間がかかるため事務方が瞬時に支払い(立替)にいくことが必要)」などと書かれている。
また「生ものを購入することもあるため、保冷剤の購入や移動車の冷房は必須」などと記されている。
試食し自ら支払い ”ジム通い”で食事にもこだわり
8月に福島県浪江町でお土産を選ぶ西村大臣の写真からも、背後からじっと見つめる職員が細心の注意を払っていることがうかがえる。
2年前、大分県豊後高田市を訪れた際の映像では、和菓子店に立ち寄り試食をすると…。
西村経済再生相(当時):
おいしいね、これ。ちょっと買って帰りましょうかね
店員:
ありがとうございます。お土産にちょっと?
西村経済再生相(当時):
買って帰りますよ
お土産用にと即決でお買い上げ。
西村経済再生相(当時):
お支払いしますよ。現金がいいですか?払います、払います、払います
確かに大臣が自ら財布を出し、支払いをしていた。
こだわりは、食事にも…。対応マニュアルの「帰宅時・駅構内での対応」では、こんな注意点が書かれていた。
「大臣は、夕食を購入するために駅構内を散策。弁当購入部隊とサラダ購入部隊の二手に分かれて対応」
関係者によると、西村大臣は「体形維持のためにジム通いをしていて、サラダが好物。炭水化物は控えている」という。
さらに「出張での車の中での対応」として「西村大臣の五月雨(さみだれ)式の質問に答えられるよう体制の構築が必要」などとも記されている。
2年で秘書官5人交代 西村大臣「過度に気を使う必要はない」
なぜ、このような対応マニュアルが作成されたのだろうか。
西村大臣が新型コロナ対策相を務めていた頃を知る内閣府の関係者からは、次のような声が出ている。
内閣府の関係者:
何度か出張に同行したが車内で叱責されて、なんとか理由をつくって同乗するのを避けていた
内閣府の関係者:
みんな出張の同行を嫌がっていた。秘書官が大変すぎるということで、特別に「大臣室長」というポストを2年前に初めて作った
西村氏の新型コロナ対策相時代は、2年間で秘書官が5人交代したという。
その一方で各地でお土産を買い、地方でお金を落とすことを評価する意見や、政府関係者からの「このくらいのマニュアルは普通です」との声も出ている。
経産省によると、この文書を作ったのは8月の福島出張に対応した職員だという。
FNNの取材に対し、経産省は「今後の出張の準備の参考になるよう、あくまで参考用の内部文書として自発的に作成したもの」と回答。「西村経産相からの指示は事務方として過度な負担とは認識していない」としている。
その上で、この文書について西村経産相から「過度に気を使う必要はなく、ましてやこのような文書を作成する必要もない」といった指示があったとしている。
(イット!9月2日放送より)