ものづくり技術に定評がある広島県。商品のデザインやPRの仕方を工夫して新商品を開発し、全国展開を試みる取り組みが始まった。アイディアが詰まった魅力ある商品が続々登場したその理由は…。

マクアケとビームスがタッグ ものづくりをサポート

キラリと光る一品が数多い広島のものづくりだが、PRの仕方には課題も指摘されてきた。そんな製造業が苦手とする部分をクラウドファンディングサイトを運営するマクアケと、セレクトショップのビームスがタッグを組んで全国展開を支援する取り組みが始まった。

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帆布製品を製造する尾道市のシルバーが制作した、保冷機能があるリュックサック。

雑貨を販売する岡山市のロジャースが作った、備前焼きのタンブラー。

ビームス広島で現在展示されているこれら16商品は、マクアケや広島と岡山に本社や拠点を構える事業者と連携して開発した。2021年、広島市に拠点を設立したマクアケが地方の産業を支援しようと、広島に地方唯一の直営店があるビームスに持ちかけたのが始まりだ。

マクアケ 坊垣佳奈 共同創業者:
まさに地方から新しい商品が、サービスが生まれるところをビームスさんとマクアケでご一緒しながら形にしていこうと。ここ広島を第一号の拠点として始めさせていただく取り組みです

2021年12月から2022年1月にかけて公募した事業者の中から16社を選び、商品の開発段階からマクアケとビームスのスタッフが関わり、アイデアを出し合った。

「焚き火台」「かまどご飯セット」などアイディア商品が続々

こちらは、搬送設備の製造などを手掛ける安芸太田町の淡野製作所が作った「焚き火台」。

持ち運びも組み立ても簡単で、キャンプ初心者でも使える。炎の美しさを際立たせるデザインになっていて、ビームス広島のスタッフがデザインを監修した。

淡野製作所 淡野乃祐社長:
我々は物をつくるプロではあるんですけど、デザイン性などが弱い部分がありまして、ビームスさんやマクアケさんに色んなアドバイスをいただいて進めることができました

一方、こちらはけん玉で有名な廿日市市のイワタ木工がつくった「本格グリルセット」。

4月から金属を扱う新たな工場を稼働させたのをきっかけに、木と金属を融合させた新商品をつくりたいという社長の思いから開発に至った。「ミニ鉄板焼きセット」ともいえるデザインだが、鉄板の厚さや油の流れを考慮した設計など、細部にわたってイワタ木工とビームスのスタッフのこだわりが詰まっている。

イワタ木工 岩田知真社長:
僕ら、ものづくりをする人間は客観的に見るのが、なかなか難しかったりする。どういうものが今求められているんだろうとか、そういう知識を外部からいただけるのは、自分たちを高めるひとつのポイントだと思っているので、今回参加させてもらってよかった

この他、おうち時間を楽しんでもらおうと開発された、珪藻土の「かまどご飯」セットや…。

再生したシルバーとゴールドを使った「折り鶴のアクセサリー」など、広島ならではの商品が並ぶ。

隠れた技術をデザインとPR力の“掛け算“で商品化

マクアケ 坊垣佳奈 共同創業者:
地方の企業で、技術は持っていてもデザイン面やホームページ上での表現力で、なかなか魅力が伝わらないケースをたくさん拝見しているが、今回非常に良い商品が出来上がってますし、それを魅力的に表現できているんじゃないかなと思います

今回、ものづくりに企画段階から携わることで、ビームス広島にとっても新たな発見があったようだ。

ビームス広島 江口裕スーパーバイザー:
改めて、広島ってこんなにものづくりがすごい強いんだなと。掛け算することによっていろんなものが生まれてくるなと、誇りになりました

新商品はマクアケのクラウドファンディングサイトにて、約30日から90日限定で販売するとともに、マクアケとビームスは事業者の販路拡大もサポートするとのこと。

地域の隠れたものづくりの技術を掘り起こし、デザインとPRの力で羽ばたかせる取り組みが今後どこまで広がりを見せるか注目だ。

(テレビ新広島)

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