あの日・西日本豪雨の教訓を生かす被災地の町内会。
7年を迎える今、避難状況を可視化する新たなシステムを導入しました。
<西日本豪雨・ヘリからのリポート 2018年7月>
「広範囲にわたって複数の住宅が土砂に飲み込まれてしまっています。住宅だと思われるが完全に大破して木材がむき出しになっています」
広島市安芸区矢野東の梅河団地では高校生など5人が犠牲となりました。
【辰已キャスター】先月30日
「広島市安芸区矢野東です。こちらの地域は被害が大きかった場所ですが、山には砂防ダムもできていますね。ハード面は整いつつも、こちらのように鉄筋コンクリートがむき出しになって被災当時の様子が残っている場所もありますね」
災害から7年を迎える今、町内会では当時の教訓を生かしたシステムの導入に力を入れています。
【天神町内会 伊木則人 副会長】
「このカードのQRコードの中を読み取って、自分がどういう状況ですよというのをお伝えしてもらえるようなシステムを導入しようとしているところ」
当時、自主防災会はあったものの『機能できなかった』という苦い経験をした住民たち…。
Q:7年前に起きたときは、個人名が載ったマップはあった?
【天神町内会 伊木則人 副会長】
「なかったんですよ。それで、どこの誰が被災されたのかわからなくて、外部から応援に来られた人がどの地域でどういう被災をしているのかわからなかったもので、それを教訓に…」
これまで、当時の写真や警戒区域だけでなく、およそ300世帯の町内会員を小さい班に分けて名前も記したオリジナルの「防災マップ」を作りましたが、『安否確認をするのに手間取った』あの日と同じ経験を二度と繰り返さぬよう11年前の広島土砂災害の被災地を参考にした「安否確認システム」を市の補助金を使って導入することにしたのです。
【天神町内会 伊木則人 副会長】
「災害が起きたのは夜だったので、近所の人と確認するのにも時間がかかったし、避難したのかできていないのか、助けがいるのかいらないのか、というようなことを自分でいれる、。この人まだ逃げていないよとなれば、助けにいくのか、消防に支援要請をするとか、いうことができるかなと」
近隣住民の避難状況を一覧で可視化することで『あの人が避難しているなら私も』といった発災前の早期避難につなげる大きなキッカケにもなればと考えています。
【天神町内会 伊木則人 副会長】
「7年とはいうが家が更地のままだったり、爪痕が残る中で、我々経験をした人たちが同じ轍を踏まないようにしていかないといけない。日頃のお付き合いで、顔の見える関係をつくって、いわゆる被災しないような町内会にできればいいなと思っている」