8月25日は、日本記念日協会が認定する「ヒカリをカナタに届ける日」。認定のきっかけとなったのは、岡山市の全盲の男性が進めてきた、目の不自由な子どもたちへの支援活動、“ヒカリを届ける”取り組みだった。
「治療して治る目なら治してあげたい」72歳で基金を立ち上げ

キルギス・バイエル君(8):
黒板や太陽、遠いところがよく見えなかった目が、手術後はよく見えるようになりました。私も将来、困った人々を助けたいです

キルギス・アリハンちゃん(2)の祖母:
孫のご支援ありがとうございます。心から感謝を申し上げます。日本の皆さんのお陰です
手術を受けて、目が見えるようになった子どもたち。
岡山市の認定NPO法人「ヒカリカナタ基金」が、治療の費用を支援した。

ヒカリカナタ基金・竹内昌彦 理事長:
皆さんの賛成が得られやすい願い、見えない目を治そう、見えるようにしてあげたい。この目標が皆さんに理解してもらえている
NPO理事長の竹内昌彦さんは、岡山盲学校の元教頭で、幼い頃に病気で視力を失った。
教員時代から続けてきた「命の大切さ」などをテーマにした講演は、2000回以上。その謝礼金をため、2011年にはモンゴルに、その4年後にはキルギスに盲学校を設立した。
その過程で、入学希望者の中に、手術をすれば目が見えるようになる子どもたちがいることを知ったという。

72歳の時、1000人の子どもたちの目を治すことを目標に、基金を立ち上げた。

ヒカリカナタ基金・竹内昌彦 理事長:
自分の目が治らない、という言葉しか聞いてこなかった。私の目が治らないと言われて65年、目が治るという言葉は衝撃だった。治療して治る目なら、治してあげたい
手術費用は、1人あたり日本円で3万円ほど。竹内さんの貯金や活動に賛同する会員の寄付金で、これまでに5つの国・486人の子どもに、光を届けることができた。
8月25日は“ヒカリをカナタに届ける日”
この活動を多くの人に知ってもらおうと、日本記念日協会に、基金の設立日の8月25日を記念日として申請。2022年、協会から正式に認められた。

ヒカリカナタ基金・竹内昌彦 理事長:
名前は、ヒカリをカナタに届ける日
コロナ禍も活動を続けるヒカリカナタ基金に、この夏、うれしい贈り物があった。

ヒカリカナタ基金・谷口真吾 副理事長:
竹内先生の今までの活動に心から感銘を受けて、自分が大切にコレクションしてきた、本人にとっては宝物。役立ててほしいということなので…

人間国宝の備前焼や高価な絵画など、約70点。大阪に住む94歳の眼科医が寄付してくれた。竹内さんはオークションを開き、落札された金額を、子どもたちの手術費用にあてることにした。
8月28日に開かれた活動報告会の中で、記念日やオークションの開催をPR。
ヒカリカナタ基金・竹内昌彦 理事長:
この基金だけは、子どもたちのために知ってほしい。目のことなら日本人に聞けと。目のことで困ったら、ヒカリカナタ基金に相談しろと、世界中の常識になることが大きい目標
(岡山放送)