西日本豪雨から25年7月6日で7年。「復興 その先へ」と題して被災地の復興の今をお伝えしています。ハード面の復旧が進む中倉敷市真備町では失われた「にぎわい」を取り戻そうと4日、住民が企画した夏の夜市が開かれました。

〇7月4日に行われた「まび金曜夜市」会場から中継
(森下花音アナウンサー)
倉敷市真備町で行われている「まび金曜夜市」の会場です。開始から2時間が経ったところですが、本当に多くのお客さんが集まっています。席がほとんど埋まっています。子供たちが特に多くて、会場には20ものキッチンカーや屋台があり、射的のコーナーでは、子どもたちが列を作って、目をキラキラと輝かせて楽しんでいる姿がとても印象的です。とても盛り上がっています。

夜市の発起人の一人、山下智さんにお話を伺います

(まび金曜夜市実行委員会 山下智さん)
Q:今回、どういう思いから夜市を企画したんですか?
「地域の子供のみんなが楽しんでもらえる場所が増えるといいなと思って、頑張ってこの会をさせてもらいました」
Q:本当に多くの子供たちが来ていますね
「うれしい限りですね」

会場は西日本豪雨で被災したうどん店「かわはら」の駐車場です。こうした夜市は、実は、災害の前の年まで毎年行われていて、豪雨の当日にも予定されていました。7月4日の夜、新たな形で復活を遂げたんです。

(2018年7月当時の現場リポート)
「(上空から)ご覧のように、ほとんどのエリアが水に漬かっています。民家など、あらゆる建物の1階部分が茶色い水に漬かっています」

2018年7月、災害関連死を含め岡山県で95人の死者を出し、甚大な被害となった西日本豪雨。うどん店「かわはら」は店が天井まで水につかり、機械はすべて使えなくなりました。

(讃岐うどん「かわはら」 川原涼さん・2023年)
「災害の後に店を両親が開けた時に、うどんを食べて客が涙を流した姿を見て、店をつぶしてはいけないと、継ごうと決めた」

被災をきっかけに会社員を辞め、両親が営むこの店で働く決意をした川原涼さん。地元の人たちの心の支えとなってきた店が7月4日夜、夜市の会場となり新たな「にぎわい」を生み出しています。

うどん店「かわはら」の2代目で夜市の実行委員会の一人、川原涼さんです。

(うどん店かわはら 2代目 川原涼さん)
Q:西日本豪雨から7年。率直に今の思いを聞かせてください
「そうですね。皆さん、本当いろんな気持ちがあると思うんですけれども、少しでも前を向いて、皆さんが仲良く、前を向いて頑張って、進んでいっていただけたらいいなというふうに思ってます」
Q:被災前は毎年行われていた。祭りの思い出は
「僕もちっちゃい頃ずっと行ってて、すごく楽しかった思い出があります」
Q:(被災前の頃の)写真でも、どんな思い出がありますか?
「そうですね。やっぱり、なかなか夜、小さい頃に友達とワイワイすることも、夜更かしもできなかったので、それができていたっていうのと、あとはあの輪投げがあって、それがすごく楽しかったなって思い出が残ってます」
Q:そんな夜市が今日は真備で復活。8年ぶりですよね
「そうですね。8年ぶりで、本当に実行委員一同、皆さんがいろいろご協力いただいていて。本当に皆さんの努力のおかげでできたなというふうに思って今、すごく感無量です」
Q:今後、真備町はどんな町になってほしい?
「本当にこの夜市を始めたきっかけもそうなんですけど、皆さんが少しでも、地元に戻って来た人とか、真備町に新しく入ってきた人が、少しでもこの夜市に来ていただいて、少しでもつながっていただいて、みんな仲良く前向いて、前進していっていただけたら。そんな場にしてほしいなと思ってます」

・・・すごく言葉が前向きで、こうグッとくるものがありました。

ハード面だけでなくそこに住む人たちのつながりや町のにぎわいも含めてこその復興と感じました。7月4日の夜市が子どもたちにとっても思い出深い、そんなふるさとの思い出となるイベントだと思います。

岡山放送
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