岡山県津山市の認定NPO法人が運営するDVの保護シェルターでは今、DV被害者だけでなく虐待やヤングケアラーなどの相談が増えている。こうした人たちを救おうと、シェルターでは新たな取り組みが進んでいる。

全国の相談件数は17万超

DV被害者:
たたくという問題じゃない。“殴る”なので。顔だろうが、おなかだろうが、足だろうがグーで。息ができなかったり、何日もせきをすると、あばらが痛かったり

こうしたDV被害者を保護するシェルター。津山市に事務局を置き、県内外で保護活動をする認定NPO法人「オリーブの家」が運営している。

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認定NPO法人 オリーブの家 山本康世理事長:
ここは空いたばかりで、また入る予定がある。今は満室でなかなか空きがない状態

コロナ禍も影響してDVは社会問題となり、2021年度は全国の相談件数が17万件を超えた。オリーブの家でも相談は増加していて、保護した人は2021年度は98人に上る。2022年度はそれを上回る勢いで増えているという。

コロナ禍も影響しDV被害者の保護人数は増加
コロナ禍も影響しDV被害者の保護人数は増加

虐待・ヤングケアラーの相談増 SNS活用へ

さらに最近、DV被害者だけではなく、虐待を受けた人やヤングケアラーからの保護依頼も寄せられているという。

認定NPO法人 オリーブの家 山本康世理事長:
私たちも驚いた。その人はまだ子どもだが、家の中では子どものような生活をしていなくて。問題を抱えた親御さんの面倒を見ていたり、自身も精神障害を患った。どこに相談していいかわからないということで

認定NPO法人 オリーブの家 山本康世理事長
認定NPO法人 オリーブの家 山本康世理事長

こうした現状を踏まえ、オリーブの家では新たな取り組みを始めた。

若い世代になじみのあるSNSを使って情報発信し、虐待を受けたまま大人になり家族から離れられない若者や、親の介護や家事を強いられているヤングケアラーを保護するというもの。

20代の若いスタッフを増やし、SNSで発信されたSOSをキャッチしようというのだ。

オリーブの家 小西峻也さん:
まず第一歩として、窓口の強化は非常に重要

オリーブの家 山本礼知さん:
ちょっとわからないけど相談してみたいという、軽い気持ちも拾えるように、友達感覚に近い気持ちで接したい

経験と実績をマニュアル化 「予防につなげたい」

心理カウンセラーの資格を持つ山本さんは、生活支援や心のケアに加え離婚調停や役所の手続きの付き添いなど、自立できるまでのサポートを続けてきた。

約5年間の経験と実績を生かし、今は国の補助金を受け、他の民間シェルターでも活用できるマニュアル作りを進めている。岡山県からも参考にしたいと申し出があった。

認定NPO法人 オリーブの家 山本康世理事長:
いろんなパターンが見えてきた。性格傾向や発達の問題もあってDVに遭いやすいとか、データや分析でわかってきたこともあるので、こういうマニュアルを公開することで予防にもつながっていくのでは

認定NPO法人 オリーブの家 山本康世理事長
認定NPO法人 オリーブの家 山本康世理事長

山本さんのもとには、たくさんのお礼の手紙が届いている。シェルターを出て新しい人生を歩み始めた感謝の言葉だ。

シェルターを出た人から山本さんへ感謝の言葉
シェルターを出た人から山本さんへ感謝の言葉

認定NPO法人 オリーブの家 山本康世理事長:
1人も虐げられる環境がなくなっていくことを、オリーブの家は少なからずやっていきたい

SOSに必ず手を差し伸べてくれる場所がある…。オリーブの家は、これからもメッセージを伝え続ける。

(岡山放送)